内容説明
川を科学すれば見えてくる人と川の深い関係。
目次
第1章 川と私たち(川と生き物の科学―豊かな川とは何か;暴れ川・石狩川と岡崎文吉の思想)
第2部 豊かな川をとりもどすために(川の再生―豊かな川を目指して;美しい川のある風景―環境美学からの提案)
著者等紹介
森下郁子[モリシタイクコ]
社団法人淡水生物研究所所長。奈良女子大学理学部動物学科卒、工学博士。兵庫県河川審議委員、応用生態工学研究会副会長、環境技術学会副会長、日本河川協会理事、国土技術研究センター理事などを歴任、大阪産業大学教授などを経て現職。専門は、陸水生態学、比較河川学、ダム湖学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コカブ
1
川の環境保全についての本。”(生物相が)豊かな川”とは、結局のところ治水工事をしていない状態だ。河床・水深・流速などが様々な状態が混在しているため、それぞれに適応した多様な生物が生息するためだという。これを治水工事で一様にして海まで水を運ぼうとすると、どうしても生物相が単調になってしまう。治水の具体例としては、石狩川・太田川(広島)などが挙げてある。石狩川は明治の技師・岡崎文吉が航路を確保するために、現状の流路への堤防工事を提案した。しかし、鉄道の発達と共に流路を短縮し、直線化する工事が行われた。2015/02/18