ウェッジ文庫
光源氏の人間関係

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  • サイズ 文庫判/ページ数 388p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784863100329
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C0193

内容説明

一千年を超えて読み継がれてきた『源氏物語』の逞しい生命力は何に由来するのか。何ゆえに日本文学史の最高傑作と呼ばれるのか。著者は本居宣長の「もののあはれ」論に果敢に挑戦する。複数の人々の織りなす人間関係がつくりだす作品構造―「話型」に着目し、物語を仔細に読み解く。「着眼点・論断のユニークさと優雅な説得力に陶然とした」塚本邦雄が嘆賞した劃期的な『源氏物語』論の決定版。

目次

はじめに 四つの登欅ルート
第1章 光源氏の宿命的な誕生(死別は愛の終わりなのか―桐壷帝と桐壷更衣;父は子をどこまで愛しうるか―桐壷帝と光源氏 ほか)
第2章 光源氏の青春(人間性を誤解された女性―光源氏と葵の上;結婚以外に、男女の人間関係は存立しないのか―光源氏と空蝉 ほか)
第3章 壮年以後の光源氏(物語の約束事としての不義密通―柏木と女三の宮;妻を愛する夫から、子どもを愛する父へ―柏木と薫 ほか)
第4章 新しい物語の模索(芸術家の血脈と精神の系譜―八の宮と娘たち;難解で抽象的な袋小路の恋愛遊戯―薫と大君 ほか)
おわりに 帚木を訪ねて

著者等紹介

島内景二[シマウチケイジ]
国文学者、文芸評論家、電気通信大学教授。東京大学文学部国文学科卒業、同大学院博士課程修了。古典文学から現代短歌、ファンタジー小説、歴史時代小説に至るまで幅広い研究・評論活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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1
光源氏を通して普遍的な人間の苦悩を考える本。源氏物語への称賛は全体的に抽象的で、その多くが「日本らしさ」を評価しているのだと著者は語る。その「日本らしさ」は固有の伝統的な社会関係に根ざしており、多くの日本の古典文学からもその類型なるものが発見出来る。しかし、源氏物語は文学の類型から意図的に外れ、現実問題に目を叛けていない。それが最後の浮舟の、不安に苛まれながらも前に進んで行くしか無いと云う半ば諦めにも似た「死ぬまで終了しない物語」である所に要約されているのではないか。2011/05/04

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