内容説明
一千年を超えて読み継がれてきた『源氏物語』の逞しい生命力は何に由来するのか。何ゆえに日本文学史の最高傑作と呼ばれるのか。著者は本居宣長の「もののあはれ」論に果敢に挑戦する。複数の人々の織りなす人間関係がつくりだす作品構造―「話型」に着目し、物語を仔細に読み解く。「着眼点・論断のユニークさと優雅な説得力に陶然とした」塚本邦雄が嘆賞した劃期的な『源氏物語』論の決定版。
目次
はじめに 四つの登欅ルート
第1章 光源氏の宿命的な誕生(死別は愛の終わりなのか―桐壷帝と桐壷更衣;父は子をどこまで愛しうるか―桐壷帝と光源氏 ほか)
第2章 光源氏の青春(人間性を誤解された女性―光源氏と葵の上;結婚以外に、男女の人間関係は存立しないのか―光源氏と空蝉 ほか)
第3章 壮年以後の光源氏(物語の約束事としての不義密通―柏木と女三の宮;妻を愛する夫から、子どもを愛する父へ―柏木と薫 ほか)
第4章 新しい物語の模索(芸術家の血脈と精神の系譜―八の宮と娘たち;難解で抽象的な袋小路の恋愛遊戯―薫と大君 ほか)
おわりに 帚木を訪ねて
著者等紹介
島内景二[シマウチケイジ]
国文学者、文芸評論家、電気通信大学教授。東京大学文学部国文学科卒業、同大学院博士課程修了。古典文学から現代短歌、ファンタジー小説、歴史時代小説に至るまで幅広い研究・評論活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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