内容説明
文学的香気あふれる美術エッセイを小林秀雄に激賞された美術評論家・洲之内徹。学生時代に左翼運動で検挙され、戦時中は中国で諜報活動に従事する。戦後、小説に手を染め、芥川賞候補になったが、美術評論家に転じて以降、雑誌に発表した「気まぐれ美術館」シリーズが鋭い批評眼と独特の文体で多くの読者を惹きつけた。洲之内徹の旧友でもある小説家・大原富枝が哀惜をこめて描いた入魂の評伝―。
著者等紹介
大原富枝[オオハラトミエ]
小説家。1912(大正元)年、高知県生れ。60年、『婉という女』で、第14回毎日出版文化賞、第13回野間文芸賞を受賞。70年、『於雪土佐―篠家の崩壊』で第9回女流文学賞を受賞。90年、勲三等瑞宝章を受章、98年に芸術院賞・恩賜賞受賞。芸術院会員となる。2000年、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サイトウケイタ
1
これまで断片的に理解していた洲之内徹の人生を通して知ることができた。現代画廊で働き始め、やがて画廊のオーナーとして、小説家から美術業界の人間になった時期の心境をもう少し掘り下げてほしかったが、この本では彼が生涯を通じて抱え続けた深い業についてが主題となっている。洲之内の著作からの引用部分が多く、読後感にやや欠ける。2025/01/14
shinsei1229
1
死の直前の病床で昏睡状態にある彼は、その「時」を生きていたのだろうか。それは贖罪なのだろうか、と思いました。2010/04/14
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