内容説明
中学教師として自ら“へっぽこ先生”と称し、詩情あふれる版画で多くの人を魅了した永遠の詩人画家・川上澄生。川上澄生の描く世界は、わたしたちの心の奥深く睡るノスタルジーをかきたててやまない。名作『明治少年懐古』が、いま甦る。
目次
まま子
小鶴をばさん
輪まはし
俥屋さん
鉄道馬車とがた馬車
雀さし
へっつい直し
でいでい屋
桶屋
人さらひ〔ほか〕
著者等紹介
川上澄生[カワカミスミオ]
版画家・詩人。宇都宮中学校の英語教師を長年勤め、自らを「へっぽこ先生」と称する。『じゃがたらぶみ』『ゑげれすいろは詩画集』といったエキゾチックな版画集や、装丁・装画、詩・童話など多くの作品を残した。1972年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
13
手仕事の得意なおじいちゃんが、一枚一枚丁寧に書きあげてくれたもの。その一枚一枚を丁寧に綴じて一冊の本にしてくれたもの。そして、特別に手渡したい人にだけ、大切に分けてくれたもの。そんな気がする本なのだ。この本を手許に持つのは、少しだけ泣きたいような嬉しい気持ち。2013/05/17
erie
2
長く置いてあったのだがいい機会なので通読。温かみのある版画と短い随筆。一般的な庶民の暮らしというよりは、お洒落で品の良い家庭だったように伺える。買い食いをしてはならなかったなど。青山がまだ田舎だった時代。ジャムトーストや牛乳、誂の洋風の靴など欧米のものが入ってきて目新しい時代。少年向けの講談本や様々なおもちゃ、縁日など、案外たくさんの娯楽があったようだ。2019/01/13
すずき
1
吉祥寺美術館、川上澄生展に行った時にで購入。川上先生が、素敵な版画とともに、明治に見たものを懐かしそうに語ってくれる。版画のフィルターを通して明治を見ることになるので、さらにノスタルジックが増す。で、結局、「でいでい屋」って一体何なんだろう?2014/04/29
魚政
0
川上澄生の版画が良いです。実物見てみたい。2008/09/04
ぽたろう
0
味わい深い作品でした。2008/07/11