内容説明
伝統的宗教は何を語り、何を問題にしているのか。現代では宗教的な真理は自明なものではない。これは伝統と現代の分断にほかならない。この問題に真正面から応えたのは、ドイツ出身でアメリカで活躍したプロテスタント神学者パウル・ティリッヒ(1886‐1965)であった。バルトやブルトマンをはじめ多くの神学者も課題に挑んだが、ティリッヒの独自性は、啓示論を踏まえて宗教の根源に迫る神学的=宗教哲学的な思索にあった。彼は宗教的経験の根源である啓示に立ち戻り、そこから意味のある「語り」を生み出す。著者はこうした思想基盤が形成される中期思想の転換期である1919‐35年に焦点を絞って考察する。本書によりティリッヒの前期と後期を結ぶ、転換期における中期思想の推移が分析され、ティリッヒ宗教思想の本質が解読された。キリスト教や宗教に関心を持つ読者にとって必見の書である。
目次
序論
第1章 前期ティリッヒの宗教哲学と啓示論
第2章 突破概念1:20世紀の神学潮流の整理とティリッヒ神学の位置
第3章 突破概念2:啓示の動的な生成過程の解明
第4章 前期ティリッヒの形而上学:啓示の出来事とその語り
第5章 宗教の根源への問い:信仰における確実性と懐疑
インタールード:1920年代の宗教哲学的思索の展開(1919‐35)
第6章 中期ティリッヒの人間論:自由と有限性について
第7章 「問いと答え」の場としての人間
結論 1920・30年代の宗教思想の統合的解釈
著者等紹介
平出貴大[ヒライデタカヒロ]
1990年、愛知県生まれ。2020年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2024年、京都大学博士(文学)。専門は宗教哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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