内容説明
「人間とは何か」「わたしは何を根拠にして生きているのか」という問いを、マクシモス(580頃‐662)に導かれながら探求し、その問いが「イエス・キリストとは何か」という問いと通じることが明らかにされる。著者はアウグスティヌス研究から東方のニュッサのグレゴリオスの探究をへて、東方神学を集大成した証聖者マクシモス研究に沈潜することにより、生きた信仰の世界を愛智の道行としての哲学的視点から解明する。本書は人間と自然と神の問題をマクシモスの哲学を解読しつつ、多くの教父の言説を活用して明らかにした半世紀に及ぶ教父研究の集大成である。
目次
第1章 原初的出会いの経験から、その根拠へ
第2章 人間の「善く在ること」の成立をめぐって
第3章 存在の次元における罪の問題
第4章 身体ないし身体性の問題
第5章 愛による諸々のアレテーの統合
第6章 創造と再創造―人間の役割とロゴス・キリスト
第7章 「キリストの復活」とタボル山における「主の変容」
第8章 ロゴス・キリストの十字架と復活―神的エネルゲイア・プネウマの経験を問い披く
第9章 全一的交わり(エクレシア)とロゴス・キリストの現存
第10章 受肉の現在―神の憐みの先行
著者等紹介
谷〓一郎[タニリュウイチロウ]
1945年、岡山県生まれ、神戸に育つ。1969年、東京大学工学部卒業、1976年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。九州大学教授を経て、九州大学名誉教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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