内容説明
批判的校訂によるアカデミー版の成果を踏まえ、日本語版独自の編集により訳出、解説と詳細な注は新たなヘーゲル研究の基盤と最新のヘーゲル像を提供し、従来の関連作品を一新する待望の本格的全集である。ヘーゲルは『精神現象学』(1807年)で、意識がどのようにして日常的意識の「感性的確信」の段階から「絶対知」にまで自己を高めていくのか、人間精神の歴史を描き独自の「体系」を示した。本巻では、「序説」、「緒論」、「意識」章を収める。「序説」は、本論執筆後に書かれ、「学の体系第一部」の前書きでもあり、『精神現象学』さらにはヘーゲル哲学理解の鍵となっている。訳者による「「序説」解説・注解」では、関連年譜・梗概・位置づけなどを示した上で、各節ごとに詳細な説明を施し、その後のヘーゲル哲学の変遷も含め詳しく考察した。さらに「総解説」ではヘーゲル哲学の根源的な問いである「精神とは何か」の観点から本書を統一的に読解し、読者が『精神現象学』の性格と意義を知るための良き案内となろう。半世紀にわたる訳者の『精神現象学』研究の集大成。
目次
序説 学的認識について
1 精神現象論の学
「序説」解説・注解(「序説」解説;「序説」注解)
『精神現象学』総解説1(『精神現象学』の基本的性格;『精神現象学』の各論1)
著者等紹介
山口誠一[ヤマグチセイイチ]
東京大学文学部哲学科を経て東京都立大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学、法政大学文学部教授(哲学)、Jahrbuch f¨ur Hegelforschung国際顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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鏡裕之
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