内容説明
本書は「小規模なグローバルヒストリー」という手法で1590年代以降イタリアの港湾都市リヴォルノを拠点に活動したセファルディム系ユダヤ人のエルガス=シルヴェラ商会に注目し、18世紀末の倒産に至るまでの活動を13,670通もの商業書簡を活用し明らかにした画期的業績。
目次
序章
第1章 ディアスポラの家族とビジネス・パートナーシップの形成
第2章 リヴォルノと西欧の離散セファルディム
第3章 新しい都市、新しい社会?―リヴォルノ、ユダヤ人ネイション、共同体的コスモポリタニズム
第4章 国家の商業力と商業に従事するディアスポラ―地中海におけるセファルディム
第5章 結婚、嫁資、相続と商社の形態
第6章 委託代理業、経済に関する情報、事業提携の法的・社会的基盤
第7章 異文化間交易と、商人が作成する書簡のしきたり
第8章 エルガス=シルヴェラ商会の異種交易ネットワーク
第9章 地中海産サンゴとインド産ダイヤモンドの交易
第10章 巨大ダイヤモンド事件―商人と訴訟
著者等紹介
和栗珠里[ワグリジュリ]
1963年生まれ。神戸市外国語大学外国語学部英米語学科卒業、同志社大学大学院文学研究科博士後期課程(文化史学西洋史専攻)単位取得後退学。桃山学院大学国際教養学部教授。専門は近世ヴェネツィア史
藤内哲也[トウナイテツヤ]
1970年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程学修退学。博士(文学)。鹿児島大学法文教育学域法文学系教授。専門は中近世イタリア史、ヴェネツィア史
飯田巳貴[イイダミキ]
1968年生まれ。東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(経済学)。専修大学商学部准教授。専門は中近世東地中海域の社会経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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