上智大学中世思想研究所中世研究叢書<br> 近代哲学の根本問題

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上智大学中世思想研究所中世研究叢書
近代哲学の根本問題

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  • サイズ A5判/ページ数 448p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784862851901
  • NDC分類 102
  • Cコード C3010

出版社内容情報

現実全体を視野に収め,その全体が何であり,何がその根拠であり意味であるのかを問うとき,そこで思考は哲学になる。本書はそのような思考に貢献する試みである。近代哲学は当初より思考は自己自身に関わり,自らが理解内容に意味を与えるとされた。その結果,自己自身でその根拠と意味を確証することが迫られた。こうした近代的思考が限界に突き当たるとき,思考によっては生み出せない〈他〉に出会い,それに対して思考が自らを開くことが切実な課題となる。近代哲学の根本問題を論ずるには,こうした問いから出発しなければならない。
第1部「言葉と歴史」では,解釈学と言語分析,歴史哲学と歴史理解,時間と歴史,呼びかけへの傾聴,第2部「自由とその根底」では,自由な自己規定と意味への関わり,意味と価値,価値と存在,無の概念と現象,第3部「超越理解と宗教論」では,フィヒテと現象学,フィヒテの宗教思想の生成,フィヒテの宗教哲学的思惟の発展,ハイデガーにおける神学と神への問い,第4部「純粋経験と宗教」では,西田幾多郎,「純粋経験」の宗教的側面,前期西田の自己意識と自由意志,純粋経験と絶対意志,など全16章により多様な考察が展開される。

序文

第一部 言葉と歴史
第一章 解釈学と言語分析――対話への手掛かり

一 了解と言語
(1)了解の位置づけ
(2)了解の言語的制約
(3)深層文法の理解
(4)日常言語と人工言語
(5)日常言語の背進不可能性と,超越論的反省の限界
二 言語と行為
(1)語用論(プラグマティクス)への転回
(2)言語様式の多様性
(3)言語の意味と客観的陳述
三 言語と主体
(1)他者理解と言語の多義性
(2)コミュニケーションの可能性
(3)先行的な言語理解の問題
四 言語と方法
(1)伝統と規範
(2)方法と真理
(3)解釈学と言語分析との対話

第二章 歴史哲学と歴史理解

一 歴史理解の歴史的変遷
二 歴史哲学のアポリア
(1)歴史の意味
(2)歴史の主体
三 歴史的了解の解釈学
四 歴史記述の諸問題
(1)科学としての歴史学
(2)出来事の生起と歴史の物語論(ナラトロジー)
(3)構造と記述

第三章 時間と歴史
一 理解と経験の時間性
二 歴史としての時間
三 歴史と歴史認識
四 多様な歴史物語と一なる歴史
五 歴史の根源としての行為
六 歴史的行為を可能にするものとしての意味

第四章 呼びかけへの傾聴――言語の超越論的構成機能について
一 現象学における存在理解の問題
(1)超越論的立場と世界への開き
(2)新たなモデルとしての傾聴
(3)主題の確定と予備的基礎づけ
二 呼びかけにおける主観と意味の生起――主観性の超越論的・前超越論的構成
(1)呼びかけの現象――自己と他者へと主観を目覚めさせるもの
(2)語りかけられる言葉にもとづく意味理解
(3)意味の成立と主観の前超越論的構成
三 意味理解と相互人格性
(1)意味の理解と思考の構造
(2)存在理解としての意味理解
(3)存在理解と相互人格性

第二部 自由とその根底
第五章 自由な自己規定と意味への関わり
展望
一 哲学史上の視野における自由のディレンマ
(1)ギリシア思想における選択と決断
(2)中世盛期思想における善の呼びかけ
(3)中世末期の自由論
(4)近代の自由論
二 自由な決断の根源と構造
(1)決断への誘因――自己存在への問い
(2)決断への参入――未知なる無制約なものへの自己開放
(3)決断の根拠――無制約的な呼びかけ
(4)決断の内実――具体的な課題
(5)決断の遂行――呼びかけからの自己規定
(6)決断の成果――本質的自由と選択の自由

第六章 意味と価値――言語論的観点から

一 意味と行為
二 行為と志向性
三 志向性と価値
四 価値と主体
五 主体と善
六 善と間主観性
七 間主観性と意味
八 意味と価値

第七章 価値と存在――リンテレンの価値哲学から出発して
一 歴史的枠組み
二 価値哲学の体系的諸問題
(1)価値認識と価値感触
(2)価値の承認と価値の実現
(3)価値の本質と場所

第八章 無の概念と現象
一 無(「……ない」)という語について
二 無の概念――意味と発生
三 無の概念――アポリアと構成
四 無の概念において思念されるものの存在論的特質
五 無の諸様式
六 無の原理解

第三部 超越理解と宗教論――フィヒテ,ハイデガーをめぐって
第九章 フィヒテと現象学――フィヒテ思想(1804-06年)における現象概念について

第十章 フィヒテの宗教思想の生成――『浄福なる生への導き』を中心に
一 『浄福なる生への導き』――書名に含まれる問題
二 フィヒテの思想の発展
三 『浄福なる生への導き』の形態と内容
(1)論考の形態
(2)『浄福なる生への導き』の体系的内容

第十一章 フィヒテの宗教哲学的思惟の発展
一 前カント期
二 『あらゆる啓示の批判の試み』
三 初期知識学の時代
四 無神論論争
五 中期思想――1800年から1806年
六 後期著作――1810年から1814年

第十二章 ハイデガーにおける神学と神への問い
一 神学によるハイデガーの受容
二 『存在と時間』までの発展
三 神学と哲学
四 形而上学とキリスト教における神理解への批判
五 存在の思惟における神への問い

第四部 純粋経験と宗教――西田哲学をめぐって
第十三章 西田幾多郎――生涯と思想
序 西田の生涯
一 概観
二 発展の諸段階
(1)『善の研究』
(2)『自覚に於ける直観と反省』
(3)「場所」の思想
(4)弁証法的世界の立場
(5)「場所的論理と宗教的世界観」
結語

第十四章 「純粋経験」の宗教的側面
一 問題の所在
二 純粋経験の概念
三 純粋経験における形而上学的・宗教的次元の端緒
四 哲学の根本原理としての純粋経験
五 神への還帰としての宗教的行為における自己超越
六 純粋経験とキリスト教神秘思想

第十五章 前期西田における自己意識と自由意志
一 『自覚に於ける直観と反省』の位置づけ
二 『自覚に於ける直観と反省』の問題設定
三 『自覚に於ける直観と反省』の思索の展開
四 事行および自由意志としての自己意識
五 絶対意志における自己意識の根拠づけ

第十六章 純粋経験と絶対意志

一 純粋経験
二 事行としての自覚
三 意志としての自覚
四 絶対意志

初出一覧/索引

クラウス・リーゼンフーバー[クラウス リーゼンフーバー]
著・文・その他

内容説明

近現代哲学の問題群を考察、その意味と根拠を問う。

目次

第1部 言葉と歴史(解釈学と言語分析―対話への手掛かり;歴史哲学と歴史理解;時間と歴史;呼びかけへの傾聴―言語の超越論的構成機能について)
第2部 自由とその根底(自由な自己規定と意味への関わり;意味と価値―言語論的観点から;価値と存在―リンテレンの価値哲学から出発して;無の概念と現象)
第3部 超越理解と宗教論―フィヒテ、ハイデガーをめぐって(フィヒテと現象学―フィヒテ思想(一八〇四‐〇六年)における現象概念について
フィヒテの宗教思想の生成―『浄福なる生への導き』を中心に
フィフテの宗教哲学的思惟の発展
ハイデガーにおける神学と神への問い)
第4部 純粋経験と宗教―西田哲学をめぐって(西田幾多郎―生涯と思想;「純粋経験」の宗教的側面;前期西田における自己意識と自由意志;純粋経験と絶対意思)

著者等紹介

リーゼンフーバー,K.[リーゼンフーバー,K.] [Riesenhuber,Klaus]
1938年フランクフルト(ドイツ)に生まれる。ミュンヘン大学卒、Dr.phil.;神学博士(上智大学)。1967年来日。1974‐2004年上智大学中世思想研究所所長。上智大学名誉教授

村井則夫[ムライノリオ]
1962年東京に生まれる。上智大学大学院博士後期課程単位取得退学。明星大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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