戴震と中国近代哲学―漢学から哲学へ

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戴震と中国近代哲学―漢学から哲学へ

  • 石井 剛【著】
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  • サイズ A5判/ページ数 464p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784862851697
  • NDC分類 125.6
  • Cコード C3010

出版社内容情報

清代考証学の集大成者戴震はカントと同じ1724年に生まれた。20世紀に入り西洋の影響を受けて中国固有の知の体系は急速に再編され,戴震は中国近代哲学の萌芽的存在として注目される。彼は経学者でとりわけ算学や音韻訓詁学に長じていた。当時は文献学的実証研究の考証学が学術史上で最も隆盛な時代であった。そこでなぜ〈戴震の哲学〉が強い影響力を持ち得たのか。そこには中国における哲学をどう理解し構想するかという実践的課題が凝縮していた。
清代末期から民国初期に〈戴震の哲学〉が中国の近代哲学を語る上で最も哲学的なテキストであり中心的トピックになったのはなぜか。さらには〈戴震の哲学〉構築のプロセスで捨象された様々な知の中にこそ,開かれた可能性の種子があったのではないか。ここに著者の主要な関心がある。
?部では1900年前後の王国維や梁啓超の哲学観と,民族革命の理論的支柱である章炳麟と劉師培の戴震像を通して,〈戴震の哲学〉の確立以前の戴震論を考察する。
?部では梁啓超と胡適が新文化運動を背景に確立した〈戴震の哲学〉像の特徴を分析し,同時に彼の哲学の内在的論理を抽出して,戴震の思想が西洋の影響なしにはあり得なかったことを明らかにする。
?部では劉師培の歴史哲学構想と章炳麟の政治哲学・言語哲学が,戴震をはじめ清代漢学からの栄養により形成されたことが示される。ここに中国近代哲学の実相を解明する。

はじめに

序章 戴震とは誰か
清代の学術/漢学と宋学/戴震の屈原/戴震の生涯/戴震の思想史的位置/本書の切り口

? 「戴震の哲学」前夜の哲学論と戴震論
第一章 清末の哲学論――梁啓超と王国維の戴震論
第一節 梁啓超の哲学観
宗教と哲学の境界/カントと陽明学
第二節 梁啓超の戴震論
「新民」の国民道徳/清代士大夫道徳に対する批判
第三節 王国維の哲学観と戴震論
王国維の哲学/戴震の理欲論/王国維の戴震批判
第四節 小結 胚胎期の「戴震の哲学」論

第二章 国粋と革命――劉師培と章炳麟の戴震論
第一節 劉師培の戴震論
劉師培と国粋/屈折する民約的戴震像
第二節 章炳麟の戴震論
戴震の同時代評価/戴震と欲望/「哲学者戴震」と排満民族主義/章炳麟の梁啓超批判と欲望問題
第三節 章炳麟・劉師培の学術と戴震
章炳麟の学術と戴震/劉師培の学術と戴震
第四節 小結 戴震と近代革命

? 「戴震の哲学」言説の検討
第三章 「戴震の哲学」言説の確立――梁啓超と胡適の「戴震の哲学」とその影響
第一節 梁啓超と『晨報』の戴震論
梁啓超と戴震生誕二百周年記念活動/梁啓超による「戴震の哲学」論
第二節 胡適の方法論と「戴震の哲学」
胡適の「哲学」とその方法/戴震と新しい哲学/胡適の「戴震の哲学」論
第三節 小結 「戴震の哲学」論の二流派
その後の「戴震の哲学」/「戴震の哲学」論の二流派

第四章 西学影響下の経学言説――戴震の時代と思想
第一節 清代学術と科学
清代哲学と西学の系譜/明末以降の自然科学の帰趨
第二節 戴震の経学と「聖人」
経学と西学/「自然」と「必然」/人倫日用における「聖人」
第三節 戴震の理と性
理の新しさ/性と性善
第四節 小結:経学の黄昏と「権」の可能性

? 戴震から中国近代哲学へ
第五章 欲望と倫理の歴史哲学――戴震から劉師培へ
第一節 理と分
戴震の「分理の理」/劉師培における「分けること」/劉師培の戴震批判
第二節 劉師培の三綱批判
理/勢と名分/『攘書』の三綱批判
第三節 大同主義の歴史哲学
劉師培の規範的人倫モデル/「大同」と無政府主義
第四節 小結 劉師培論の射程

第六章 漢学からの哲学――章炳麟の斉物哲学と言語論
第一節 「公理」から「斉物」へ
戴震と清末の公理観/『四惑論』における「公理」批判の構造
第二節 戴震と章炳麟の小学
戴震の音転化理論/章炳麟の音転化理論/転注解釈をめぐって
第三節 章炳麟の言語論と哲学
章炳麟の言語思想と方法/章炳麟の哲学/暴力としての理勢
第四節 言語と文体
復古と科学/章炳麟の文論
第五節 「天籟」を問う
劉師培の文学論と斉物論解釈/章炳麟の斉物哲学
第六節 小結 章炳麟と天籟

終章 漢学から哲学へ
全体を振り返って/章炳麟の「文」と「言」/戴震と章炳麟/テクストと解釈

あとがき

参考文献/索引(人名・書名,事項)/中文提要/英文目次・要旨

石井剛[イシイツヨシ]
著・文・その他

内容説明

1部では1900年前後の王国維や梁啓超の哲学観と、民族革命の理論的支柱である章炳麟と劉師培の戴震像を通して、“戴震の哲学”の確立以前の戴震論を考察する。2部では梁啓超と胡適が新文化運動を背景に確立した“戴震の哲学”像の特徴を分析し、同時に彼の哲学の内在的論理を抽出して、戴震の思想が西洋の影響なしにはあり得なかったことを明らかにする。3部では劉師培の歴史哲学構想と章炳麟の政治哲学・言語哲学が、戴震をはじめ清代漢学からの栄養により形成されたことが示される。ここに中国近代哲学の実相を解明する。

目次

戴震とは誰か
1 「戴震の哲学」前夜の哲学論と戴震論(清末の哲学論―梁啓超と王国維の戴震論;国粋と革命―劉師培と章炳麟の戴震論)
2 「戴震の哲学」言説の検討(「戴震の哲学」言説の確立―梁啓超と胡適の「戴震の哲学」とその影響;西学影響下の経学言説―戴震の時代と思想)
3 戴震から中国近代哲学へ(欲望と倫理の歴史哲学―戴震から劉師培へ;漢学からの哲学―章炳麟の斉物哲学と言語論;漢学から哲学へ)

著者等紹介

石井剛[イシイツヨシ]
1968年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科(東アジア思想文化専門分野)博士課程修了。現在東京大学大学院総合文化研究科准教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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