希望の倫理―自律とつながりを求めて

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希望の倫理―自律とつながりを求めて

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  • サイズ A5判/ページ数 304p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784862851420
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C3012

出版社内容情報

3.11の大震災と原発事故を通して多くのしわ寄せが,弱い立場の人々や集団,地域に向けられ,様々な被害に対する責任が曖昧にされていく現実を目の当たりにした。専門を越えた研究者たちが不合理な社会のあり方と既成観念を批判し,未来を構想すべくフェミニズムの視点から討論を重ねて結晶した成果。
?部では原発事故で食の環境が破壊された事実をミナマタに重ね,幼い命を育む母たちの苦しみと食環境をめぐる運動を考察する。次に「風俗」という性産業で働く女性が人格と性を分離して生きる実態を見つめ,フランスの買売春廃止の動きを分析しながら,風俗のない日本社会を構想する。また日中戦争下,日本軍による性暴力とその被害女性たちの聞き取りを通し,彼女らの生活環境と被害の実態を個別具体的に解明し,交流を通して発見された人間的連帯や記憶と記録についても考察する。
?部では,周囲に適応できず発達障害と認定されるケースが,社会の変動と連動しているとの立場から,異質な人々をゆったりと包摂する社会を探究する。また自分の身を置く場をもたず,公園や駅舎の通路など公的空間を起居の場にしているホームレスの人々に対し,公的機関がひたすら排除の行為を繰り返す現実に,私たちはどのように応答すべきかが問われる。
?部では,性差別や習慣にしばられる「生き難さ」を文学で表現してきた干刈,冥王,山?など女性作家が描く女性たちの今を考察。3.11以降,先端技術の高さを誇る日本社会で,政府や大企業のトップに見られる無責任体質が集団同調主義に由来し,それとの関連でわが国の宗教のあり方に光をあてる。最後に宗教倫理の視点からわが国の倫理が共同体中心主義で,相互依存的であるため責任主体が曖昧になることを明らかにする。

まえがき(岡野治子)

? 「小さな声」からはじめる
1「食」をめぐる「母たちの苦しみ」――フクシマとミナマタ(河上睦子)
はじめに――フクシマに面して/フクシマの「いのちの苦しみ」/食をめぐる母たち・女性たちの葛藤/おわりに
2 風俗を考える――買春処罰というアイデア(支倉寿子)
はじめに/日本の「風俗」/買売春廃止主義/買売春や「風俗」のない世界/むすびにかえて
3 一人ひとりの生とつながり――中国の性暴力被害者と日本人が創ってきた関係(早川紀代)
はじめに/山西省盂県の村むらの女性と日本人のグループ/被害女性たちの語りからみる村の女性たちの生活/村に日本軍が突然やってきた/女性たちの戦後の生活/被害女性たちと日本人グループの交信/むすびにかえて
(コラム1)名もない一人の女の逸話から(土居由美)

? 社会的排除から包摂に向けて
4 「発達障害(者)」の増加は何を意味するか――共に生きる社会に向けて(牧  律)
はじめに/発達障害とは/発達障害と現代社会/発達障害とジェンダー/発達障害とコミュニケーション/むすびにかえて――何が大切か
5 ホームレスの人とはだれか――支援に関わって(横山杉子)
はじめに/池袋での炊き出し――ホームレスの人たちと出会う/ホームレスの人とはだれか/支援者による給食活動を行政が排除――生存権が脅かされる/ホームレスの人々を公共施設から排除/ホームレス状態に至るまで/身体的・精神的障がい者の存在――放置された障がい者/ホームレスの人たちを苛むものは/ホームレス状態にあることは「自己責任」か/生活保護制度はどのように機能しているか/「自立」とは――自立支援法の枠内での「自立」から新しい「自立」へ/私たちにとってホームレスの人とはだれか――問い返される問い/新たな共生に向けて/おわりに
(コラム2)マイノリティーの存在が問いかけること(土居由美)

 ? 日本社会に生きるということ
6 百万葉のクローバー――生き難さと生きる意味(山下暁子)
はじめに/干刈あがたと冥王まさ子/都合の悪いおじさん――山崎ナオコーラの世界/性暴力という差別/大きな夢を描く/おわりに
(コラム3)大切ないのちを守ること(土居由美)
7 新しい共同性へ――集団同調主義からの脱却(奥田暁子)
はじめに/日本の精神風土/宗教と集団同調主義/「個人化」と公共性/どこへ向かうのか
8 伝統的倫理観と〈いのち〉のゆくえ(岡野治子)
問題の所在――3・11を倫理的視点で考える/日本文化における〈いのち〉の価値/日本の伝統的倫理観――ユダヤ・キリスト教的倫理観との比較において/フェミニスト神学の視点から再考する〈善い社会〉とは?

あとがき(奥田暁子)

岡野治子[オカノハルコ]
編集

奥田暁子[オクダアキコ]
編集

内容説明

3.11の大震災と原発事故を通して多くのしわ寄せが、弱い立場の人々や集団、地域に向けられ、様々な被害に対する責任が曖昧にされていく現実を目の当たりにした。専門を越えた研究者たちが不合理な社会のあり方と既成観念を批判し、未来を構想すべくフェミニズムの視点から討論を重ねて結晶した成果。

目次

1 「小さな声」からはじめる(「食」をめぐる「母たちの苦しみ」―フクシマとミナマタ;風俗を考える―買春処罰というアイデア;一人ひとりの生とつながり―中国の性暴力被害者と日本人が創ってきた関係)
2 社会的排除から包摂に向けて(「発達障害(者)」の増加は何を意味するか―共に生きる社会に向けて
ホームレスの人とはだれか―支援に関わって)
3 日本社会に生きるということ(百万葉のクローバー―生き難さと生きる意味;新しい共同性へ―集団同調主義から脱却;伝統的倫理観と“いのち”のゆくえ)

著者等紹介

岡野治子[オカノハルコ]
ボン大学哲学部比較宗教学Dr.phil.。元広島大学教授・フランクフルト大学など元客員教授。比較宗教学・フェミニスト神学

奥田暁子[オクダアキコ]
女性史研究者・翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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