出版社内容情報
膨大な出土文物によりもたらされた新史料を駆使して,古代帝国を統治するための中心的機能である刑法の全体像を明らかにした基本文献。
内容説明
前近代の中国では、法律は民衆を統治するための道具であった。本書は「律」という法規範、そのなかでも刑法に関わる条文を分析し、国家が民衆を統治しようとする政策的意図を明らかにする。秦律、漢律のなかの刑罰法規を分析することにより、犯罪処罰の全体的な傾向を考察する。まず殺人、傷害、窃盗など典型的な犯罪に対する処罰を考察、それを踏まえて未遂、予備、陰謀、共犯、連座など犯罪一般に共通する問題を検討して、秦律、漢律では刑罰を通して犯罪の発生を抑止しようとする「一般予防」が、前近代社会のなかでも特に重視されていたことを明らかにする。
目次
序章 秦漢刑法研究史と問題の所在
第1章 秦律・漢律の刑罰制度
第2章 秦律・漢律における殺人罪の處罰
第3章 秦律・漢律における傷害再の處罰
第4章 秦律・漢律における竊盗罪の處罰
第5章 秦律・漢律における未遂・豫備・陰謀罪の處罰
第6章 秦律・漢律における共犯の處罰
第7章 秦律・漢律における事後共犯の處罰
第8章 秦律・漢律における連坐制
終章 秦律・漢律における犯罪處罰の傾向
附論 湖南張家界古人堤遺址出土漢簡に見える漢律の賊律・盗律について
著者等紹介
水間大輔[ミズマダイスケ]
1973年、福岡縣に生まれる。1997年、早稻田大學法學部卒業。2004年、同大學院文學研究科博士後期課程史學(東洋史)專攻單位取得退學。日本學術振興會特別研究員(DC)、早稻田大學文學學術院助手を經て、現在日本學術振興會特別研究員(PD)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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