内容説明
歴史とは何か?歴史を学ぶことの意味は?歴史家はどんな仕事をするのか?歴史の世界を冒険しよう。
目次
1 歴史を学ぶことの根幹にあるもの―冒険を始めるにあたって(歴史には人間の「まなざし」がある;ヘロドトスからの考察―歴史の起源)
2 歴史の見方、歴史家の仕事を探る―経験値を高めるために(歴史的事実と解釈をめぐって;歴史家の仕事をめぐって ほか)
3 歴史を学ぶことが持つ意味を求めて―迷宮“ラビリンス”の中へ(歴史学は役に立つのか;歴史学と科学のかかわり ほか)
4 歴史をめぐる人々の思い―地下迷宮“ダンジョン”への挑戦(歴史教育と歴史学;歴史と記憶をめぐって ほか)
著者等紹介
中谷功治[ナカタニコウジ]
1960年大阪市生まれ。1989年大阪大学大学院文学研究科単位取得退学。大阪大学文学部助手、愛媛大学教育学部助教授を経て、関西学院大学文学部教授。専攻はビザンツ帝国史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ののまる
2
「歴史とは、私という個人のためだけの存在ではなく、私たちという人間集団のもの」2014/08/28
韓信
1
歴史学とは何かを平易なことばで解りやすく綴る史学概論。歴史研究に取り組むうちに体得していた考え方を言語化してくれた部分もありつつ、「歴史」の恣意性や、国民国家と「国民」の形成に歴史教育が果たした役割など、ある種ネガティブに捉えられかねない事柄にもきちんと向き合う誠実な内容。史学科の学部1〜2年生くらいで読むとちょうどいい内容だとは思うが、歴史学が現実を生きる上で何の役に立つのか、という歴史学徒が突きつけられる永遠の命題には、個人的には腑に落ちるような明確な答えは得られなかった。2024/03/10
さとうしん
1
史学概論(的な講義)の講義録。以前から史学概論に関する本はどうも内容につかみ所がなくて読みにくいなと思っていたが、本書のような取っつきやすい文体でも同じような感想を抱いたことからすると、史学概論自体が私にとってつかみ所のないテーマということになりそうだ… 本書で私自身の問題意識と最もマッチした話題は、第五回の現在とつながる過去と、現在とはつながらない異世界としての過去の話。2016/04/08
おらひらお
1
2008年初版。大学で歴史を学び始めるときに読む本。昔の概説本とは内容が変わっているのでしょうが、大体ついていけてるようです。やや考古学の評価が低いところは興味深いですが、語り口調なので読みやすいです。巻末の参考文献も良。2010/09/02
ちるちる
0
主として歴史を学ぶ人の心構えを書した内容だが、著者自身の歴史家としての自戒意味も込めているような気がする。P240の「今後どれくらいの年月を生きるのかはわからないけれど、まだまだ知らないことがいっぱいある、と思えることがえも言われぬ幸福感を与えてくれる。」という言葉には感銘を受けた。2011/03/01