目次
第1章 病院から医師がいなくなる?―国際的名声とは裏腹にお粗末な病院の内部事情
第2章 病院のベッドは勝手に増やせない―がんじがらめの医療行政
第3章 夜逃げする歯科医―安すぎる医療費をめぐる悲劇
第4章 医療事故はなぜ起こる―揺らぐ医師と患者の信頼関係
第5章 看護師不足を加速させる看護体制と社会保障―限界に来ているその場しのぎの対応
第6章 「医療」から「医業」へ―ほとんどの病院は赤字経営
第7章 「白い巨塔」の今昔―変わった部分、変わらない部分
第8章 医者・病院との付き合い方―日本の医療再生をめざして
著者等紹介
土田ひろかず[ツチダヒロカズ]
医師・フジ虎ノ門整形外科院長、参議院議員(民主党所属)。1949年石川県に生まれ、静岡県(小山町、御殿場市)で育つ。1979年関西医科大学医学部を卒業後、東京・虎の門病院に整形外科医として勤務。1982年、御殿場市でフジ虎ノ門整形外科病院を開業。整形外科専門医、リウマチ専門医として日々の診療活動を行う。また、財団法人日中人事交流援護会の理事長として、80数名の中国人留学生や静岡県内の高校生の中国研修をサポートする
やくみつる[ヤクミツル]
1959年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。出版社に勤務後、漫画家としてデビュー。各誌で漫画の連載多数。近年はテレビ番組のコメンテーターとしても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まさたん
1
現役医師であり民主党の参議院議員が書いた日本の今の医療を説いた本。やくみつるの4コマ漫画も掲載。いかに医師が疲弊し現代の医療が崩壊しているかを訴えている。医療法によって医師や看護師の人員基準の数合わせで病院を縛りつけ過酷な労働環境の中で、最近の診療報酬は下げられ続ける一方で医師が立ち去りますます負担が増えていると。公立病院が膨大な赤字なのに実体は一般会計から外され赤字を隠していること。ベッド数も地域の医療計画により制限するなど、今までの官僚統制による「医療費・福祉抑制政策」を非難してます。将来が不安です。2010/04/24
Noriko S
0
2010年に書かれた医師から政治家になった土田さんの御本。医療制度について、現状の把握と問題点、将来進むべき方向、ほぼ的を得ている。医療サイド、行政サイド、そして患者サイドに分けて今後すべきことも書いてある。やくみつるさんとの対談も面白かった。この本に書いてあることで7年間で変わった部分はわずか。医療者はあきらめていることが問題だが、既得権益と規制にがんじがらめで身動きできない。何とかできないか・・・。2017/07/02