出版社内容情報
なぜ山火事はここまで巨大化したのか?
その答えは、気候変動だけではなかった──。
『絶滅できない動物たち』で絶賛されたジャーナリストが、
破滅的災害の最前線で自ら消火/火入れに参加し、取材。
「文化的火入れ」を守ってきた先住民、
火で炎を制する森林火災消防士、
「火災生態系」に連なる研究者たちとともに、
忘れ去られた「森と火と人」の関係性を解き明かす。
“人類最初の道具”とも言うべき「火」を通して、
人間と自然の関係を問う傑作ノンフィクション。
内容説明
山林を焼き尽くし、人の暮らしを破壊し、時に生命さえも奪う―。気候変動でますます身近となる火災の恐怖。だが、火を忌避し、禁じることが事態を悪化させてきたとしたら?あるときは「破滅的な災害をもたらすもの」として。またあるときは「生態系のバランスを保つもの」として。“人類最初の道具”とも言うべき「火」を通して、人間と自然の関係を問う傑作ノンフィクション。
目次
プロローグ 森と火と人の関係性を問い直す
プレーリーの土―死と再生をもたらす「よい火」を求めて
まず、雷があった―火と人が共生してきたこれだけの証拠
炎に魅せられて―「青い蝶」は火がなければ絶滅する
のたうちまわる巨大な蛇―いかにして火入れは禁止され、森林火災は大型化したのか
別世界からの使者―「メガファイア」化する火災と最前線の消防士
汚れた8月―社会のはみ出し者に与えられた世界一危険な仕事
想像がつくことはすべて起こった―なぜ対策はいつも「2歩遅れ」なのか?
「火新世」を生きる―ヨセミテ国立公園とコントロールされた自然火災
抵抗か、受容か、方向転換か―森を守るためには森を焼かねばならない
竜の卵と石槌―1000年のタイムスパンで世界を見るために
美しくて正しいもの―「生態系多様性」と火の革命家たち
白い鹿の土地で―聖地を植民地化されたユロク族と「文化としての火入れ」
ともに捧げる祈り―母なる大地とひとつになるために
エピローグ 火と手を取り合い、大地に躍る
著者等紹介
オコナー,M.R.[オコナー,M.R.] [O’Connor,M.R.]
政治、そして科学や技術や保全の倫理をカバーするジャーナリスト。The New York Times、 The New Yorker、Foreign Policyなどに精力的に寄稿している。第1作の『絶滅できない動物たち』(ダイヤモンド社、2018年)は、アマゾンの年間ベストブックに選出された。パートナーと息子3人とともにブルックリン在住
大下英津子[オオシタエツコ]
上智大学外国語学部英語学科卒業、ニューヨーク大学ギャラティンスクール修士課程修了(アジア系アメリカ女性作家文学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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カズユキ