内容説明
「シリコン・サハラ」の起業家たち、国よりも強い究極のシェア文化、超実践的な教育サービス、最先端の金融システム…無秩序のなかにグローバル経済の未来が見える。
目次
1 方向感覚―なぜアフリカの新しい地図が必要なのか
2 カンジュ―天才と犯罪者の間を歩く、アフリカ流生存戦略
3 しくじり国家―アフリカの政府はなぜうまくいかないのか
4 ほしくないもの―アフリカにとってのありがた迷惑
5 家族の地図―アフリカ人は元祖ソーシャルネットワークに生きる
6 テクノロジーの地図―アフリカのデジタル革命に学ぶこと
7 商業の地図―商取引から見えるアフリカの明るい未来
8 自然の地図―アフリカの食糧と資源が世界を変える
9 若者の地図―走り出すアフリカの新世代
10 二つの公的機関―結局、誰に責任がある?
著者等紹介
オロパデ,ダヨ[オロパデ,ダヨ] [Olopade,Dayo]
ナイジェリア系アメリカ人ジャーナリスト。国際政治、開発政策、テクノロジーを取材している。ワシントンとナイロビで特派員を務め、『アトランティック』誌、オンラインメディア『デイリー・ビースト』、『フォーリン・ポリシー』誌、『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ワシントン・ポスト』紙などに寄稿している。イェール大学で学士号、法学士号、経営学修士号を取得。ニューヨーク在住
松本裕[マツモトユウ]
オレゴン州立大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kanaoka 58
9
アフリカにおいて”国”は植民地支配の境界を継続しており、それは、利権・権力奪取の道具となっている。そして、欧米の開発支援の形式主義と偏見が、それらの利権と腐敗を維持させる結果となっている。理念や正義ではなく、まずは、生活を支える、地域に基づく非公式な社会組織・経済を尊重し、支援し、育む事から始めていかなければならない。正当性や忠誠心は、そこから生れてくる。そして援助は、人々の生活の継続して安定させていくためものであり、押し付けや援助漬けではなく、地域内の資本循環プロセス確立による雇用の創出が鍵となる。2017/08/11
なかむ
4
アフリカの恵まれない子どもたちに寄付を!こういった言葉はよく聞こえる。しかしほんとうにそうなのか?疑問を抱いていたが、この本はそういったアフリカへの偏見や思い込みを脱してくれるのに有用だ。いわゆる先進国はアフリカから学ぶ事も多いだろう。特にカンジュの精神だ。レヴィストロース的には、プリコラージュ、野生の思考と言うのかもしれない。しくじり国家の副産物として生まれた、生き抜き成長するためのイノベーション思考だ。カンジュを含めた非公式の経済が日々の生活を支えているのだ。2019/01/16
shiki30
1
アメリカやヨーロッパ、中国なんかはともかく、普段ニュースで取りざたされない地域のイメージは中学高校の時の社会の授業のイメージに固定されてしまうように思う。アフリカは特にそうだと思う。「植民地時代の後遺症と民族紛争に苦しみ、停滞した地域」観が自分の中にどこかあったが、この本を読んでみると時代は変わりつつあるということがよくわかった。取り上げられている国々の記述を読むにつけ、各国のことをもっとよく知りたいと感じたのだけれど、如何せんアフリカの国々の今を伝える著書は極めて少ない。。2018/10/25
犬吉
1
これも備忘録。しばらく前に読了。最近読んだ本では、断トツに面白かった。可能性を切り開く力に感動。ステレオタイプな知識に恥じ入った。アフリカに行きたくてしょうがないです。
Fuyuki Kawasaki
1
アフリカには、既存の法律や社会保障、電力や道路といったインフラが欠如しているがゆえに、先進国では考えもつかないようなイノベーションが生まれているという事を切り口にしている本。例えば、銀行が無いなら携帯電話を使って送金してしまえ、電気が供給できないなら各家庭で発電するために太陽光発電を使うといった取り組み、商売、サービスを紹介。課題だらけだが、可能性もチャンスも眠っているアフリカで、人々は常に創意工夫しているという事を教えた良い本。2017/01/15




