内容説明
「いまよりいいもの」ではなく、「いままでにないもの」をどうつくるか?社会学×デザインシンキング×マーケティングの実践知を体系化。
目次
第1章 機会発見とは何か?
第2章 機会発見のプロセス
第3章 課題リフレーミング
定性調査について
第4章 日記調査とデプスインタビュー
第5章 エスノグラフィ調査
第6章 情報の共有と整理
第7章 機会フレーミング
第8章 機会コミュニケーション
著者等紹介
岩嵜博論[イワサキヒロノリ]
株式会社博報堂。博報堂イノベーションデザインディレクター。ブランド・イノベーションデザイン局イノベーションデザイン部部長。博報堂において国内外のマーケティング戦略立案やブランドプロジェクトに携わった後、近年は生活者起点のイノベーションプロジェクトをリードしている。専門は、新製品・サービス開発、新規事業開発、UX戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略、エスノグラフィ調査、プロセスファシリテーション。国際基督教大学(ICU)教養学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、イリノイ工科大学Institute of Design修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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袖崎いたる
7
ビジネスにおける市場開拓のための企画をまとめる方法論。今迄は定量情報に頼っていたけど定性情報が大事だよ、と始まるその内容は物語作成能力と解釈格子発見の感覚の重視を説く。昨今(それとも昔から?)ビジネス書での鍵鑰概念として「物語」が登場してきていたのも納得。すなわち顧客の(正確なというよりも)的確なイメージに基づいた市場設計が要であるという視点から、企画者に必要なセンスが良き読み手であり書き手であることであるらしい。後半になると文体の重要性を説いているように読めたりもする。O Think Literary?2017/01/25
カエル子
4
「良い参考書はないですか?」と聞かれて、とりあえず自著をオススメするのは当然として(笑)、ただ私の本はインタビュー一本槍なので、ニーズに合わない面もあり、そうなったときに胸を張ってオススメできる本がなかなか現れないなぁ…というのが正直なところだったのですが、流行りのUXという言葉を封印し、ユーザーではなく“生活者”という言葉を採用し、とてもシンプルで美しい装丁で現れたこの本は、リサーチをきちんと行ったうえで素敵なモノコトを世に送り出したいと考えている人たちにとっては必読です。参考書が美しいって幸せ。2016/10/18
やまもと
2
今までふわっとしていた、サービスデザインやデザイン思考の中身を具体的行動ベースで書いてくれている本。教科書とも言えると思う。課題フレーミングからの定性調査(デプスインタビュー、エスノグラフィー調査、日記調査)→情報共有、機会フレーミング、機会コミュニケーションという流れ。機会フレーミングという部分で、定性調査から得られた情報をまとめていくやり方(例えば、四象限、グループ化、時間軸で体験を考える、システムアプローチ)等はかなり参考になった。従来のやり方との大きな違いは、枠外の視点、定性情報、統合的操作である2018/04/08
さのかずや
1
教科書っぽい装丁だなあと思ったらほんとに教科書だった。自分が仕事を受けてワークショップを導入するとしたらこういうことをやるんだろうなーと思いながら読んだ。デザイン思考を解釈した日本なりの機会発見方法論、アイデアスケッチと照らしたりしながら、実践を通して見につけたい。2017/12/18
Predora
1
新しい製品やサービスを作る際のプロセスについて書いた本だが、他書と比較して内容が具体的なのでかなり良い。デザイン思考の考えが取り入れられていて、似たような内容は他の書籍からも得られるが、ここまで具体的に書かれたものは見たことが無い。現場に出向いて対象者にインタビューを行うエスノグラフィ調査を例に挙げると、事前に準備するもの(リサーチガイド)・持参するもの(ノート,カメラ)・人数(インタビュアー,カメラマン,書記)・現場での態度(緊張の解きほぐし方,質問の仕方)が具体例を伴って説明されている。2017/12/18