内容説明
人生における「成功」とは何か?好奇心に満ち、どんな困難にも負けず、なによりも「幸せ」をつかむために、子供たちはどんな力を身につければいいのだろう?神経科学、経済学、心理学…最新科学から導き出された一つの「答え」とは―?アメリカ最新教育理論。
目次
序章 明からになる新事実
第1章 失敗する子、しない子
第2章 何が気質を育てるのか
第3章 考える力
第4章 成功への道
第5章 わたしたちに何ができるのか
著者等紹介
タフ,ポール[タフ,ポール] [Tough,Paul]
『ハーパーズ・マガジン』『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』編集者・記者を経て、フリーのジャーナリスト。子供の貧困と教育政策を専門に多数の執筆・講演活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
75
ビジネスブックマラソンで高評価だったので、面白そうな子育て本かと思って図書館で予約。順番がやっと回ってきたと思ったら、奇しくも「子供の貧困」と同様、「貧困からいかに子供を救うか」が主眼の本だった。本書では、読み書き算盤といった認知能力と同じかそれ以上に、「やり抜く力」「自制心」「好奇心」といった性格をあらわす非認知能力が、子供の運命を決定づけることを指摘し、性格を伸ばす教育に力を入れている事例を複数紹介している。重要な性格の導出は根拠がいまひとつな感があるが、個別の子供のケーススタディは読みごたえがある。2014/05/13
壱萬参仟縁
37
2012年初出。勤勉性の高い人は成績がよい。犯罪率低い。結婚も長く続く。長生き。喫煙率や飲酒率低い。低血圧で脳卒中にならず。アルツハイマー病発症率低いという(121頁)。気質測定リスト:やり抜く力、自制心、意欲、社会的知性、感謝の気持ち、オプティミズム、好奇心(127頁~)。若者の気質を育てる最良法は、深刻に、ほんとうに失敗する可能性のある物事をやらせてみること(140頁)。ドゥエックは、知能が改善できると信じる生徒のほうがよい結果を出せるという(157頁)。2016/02/11
ひろ☆
29
成功する子供の育て方かと思ったら、貧困層にある子供の教育だった。 日本でも言われている教育費が子供の学力を決めるを思い出す。 アメリカ最新教育理論で、要は良い気質を育てること。表現力、思考力、読解力といった認識できる能力以上に、やり抜く力や自制心、失敗をなんとかする力、好奇心などの能力を伸ばすこと。影響が大きいのは、幼少期に複雑な家庭事情などで、慢性的なストレスを与えないようにすること。 ただ、与えていても、細やかな愛情を注ぐことでカバーできる。負の連鎖を断ち切る、緩和させること。2014/08/30
き
21
「不利な状況にある若者にわたしたちがさしだせる最も価値あるツールは「性格の強み」をおいてほかならない。つまり誠実さ、やり抜く力、レジリエンス、粘り強さ、オプティミズムである。」という言葉が印象に残った。2021/01/10
Islay
15
主としては、貧困、またはそれを背景とした劣悪な環境(特に幼少期に与えられるべき愛情の不在)から、様々で重大なストレスにさらされた子供たちを待ち受ける忌むべき負の連鎖を断ち切らんと、教育レベル(ここでは、非認知的スキルと呼ばれる粘り強さや自制心、好奇心、やり抜く力といった、後天的に習得及び上積みが可能な気質)の向上を掲げ、神経科学、心理学、経済学等々における治験とデータを駆使して社会的なアプローチを試みんとした渾身のルポルタージュ。また、著者の幼き息子の善き父親たらんとする奮闘は、温かな余韻をもたらします。2016/03/09
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