内容説明
官僚批判が渦巻く今、「真に必要な改革」は何なのか。新たな霞ヶ関を創るために立ち上がった官僚集団が、霞ヶ関の抜本的な構造改革と、その先にある新しい「この国のかたち」を大胆に提言する。
目次
第1部 日本の現状をどう見るか(データから見る日本;日本を取り巻く国際環境/近代国家の盛衰サイクルから見た日本;安易な悲観論を超えて)
第2部 めざすべき国家像と戦略の必要性(私たちがめざす国家像;めざすべき国家像を実現するための戦略;総合戦略の不在の具体例と国民生活への悪影響―少子化問題を例として;戦略の不在を助長する霞ヶ関のミクロな問題点)
第3部 戦略国家の構築に向けて(霞ヶ関構造改革の三つの柱;霞ヶ関構造改革を実現するためのプロセスと手段;総合戦略本部ができると何が変わるのか)
第4部 霞ヶ関構造改革の先にあるもの(霞ヶ関構造改革の先にある五つの価値;プロジェクトKのこれまでの活動;PSRとM&A!―霞ヶ関だけではできないこと;プロジェクトKの今後と連携の拡大)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takizawa
2
若手公務員を中心にしたプロジェクトKによる,霞ヶ関構造改革の提案。本書は,理想論だけを唱えたり,制度設計を無視して現状を批判するような類書とは異なり,建設的な視点を軸にして,現実的な制度設計を提示しているのが特長だと思う。しかも,明確な目的に裏打ちされている(目指すべき国家ビジョンを抽象的な言葉にしてごまかしたりせずに示す等)。専門的な知識も教養もない人でも読者層に取り込もうとしているのが伝わってくるので,ひじょーーーーに好感を持った。p.148あたりの政策評価批判が興味深かったです。2009/11/08
haru
1
官・民というより、日本中の各組織がそれぞれに変革していかなければ国を変えることはできない。PSRの概念は確かにおもしろかった。個人にも社会的責任がある。ただ日本の将来について何かしらの信念を持つ個人は少ないように思える(自分を含め)。漠然とした焦燥感を行動に移すのは何て難しいと呆れるこの頃。2014/06/03
三宮勝博
0
省益中心主義の打破に本気で取り組んでいる若い官僚達がいるなんて、心強いです。霞が関での彼らの立ち位置が気になります。2012/05/21
しまちゃん
0
霞ヶ関にも日本を変えようと頑張っている人がいるということが知れて、嬉しかったです。M&A(みんなでアクション)についての文章で『あいつが悪い、こいつが悪いと足の引っ張り合いをしている暇があったら、共通点を探し出して協力するほうがよほど解決に向けた効果が高い』とは、まさに同感です。PSR(Personal Social Responsibility)は、個人社会責任という言葉にも自分自身反省しなければ、と考えさせられました。2010/01/28
tooka
0
激務の官僚が労務管理とか口にするとさすがに同情を禁じえない。やる気のある連中を見殺しにしないポジティブな組織は好感が持てる。若手官僚に期待するのは、「導入すればこんな効果がある」だけじゃなくて、「導入すれば対象者がどう利用するのか」「導入したものが国民からどう見えるか」の視点を欠かさないようにしてほしい。ただ改革はあくまで民間主導で行うべきだと思う。2009/11/26