内容説明
平出奔歌集。2020年第63回短歌研究新人賞受賞作「Victim」収録。
目次
その時代のことはあまり知らない(4)
その時代のことはあまり知らない(1)
その時代のことはあまり知らない(2)
Victim
その時代のことはあまり知らない(3)
了解
その時代のことはあまり知らない(5)
著者等紹介
平出奔[ヒライデホン]
1996年3月、福岡県大牟田市生まれ。現在、日本大学芸術学部文芸学科在学中。「塔」短歌会の他、「えいしょ」、「半夏生の会」、「のど笛」に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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塩崎ツトム
15
平方イコルスンさんが表紙なので「欲しいなあ、欲しいなあ」と思ったので購入。短歌集なんて初めてや。シリアスというかメンヘラな歌が多かったり、風が吹いてばかりだなとは思ったけど、技巧を感じさせずズキューンと日常の「むむむ」となる瞬間を切り取った歌が良い。2023/01/12
qoop
7
あとがきにあるような心持ちでで詠んだ歌がこうなのかと思うと、改めて初めから読む気になる。で、読味は変わったかといえば案外変わらず。初めからこう詠まれ、そう読んでいたか。寄り添ってもいないのに読んだ気になってしまうのかな。/世の中は普通に良くて仕事のことを労働と呼ぶユーモアがある/この町を町にしているコンビニにたまにいるいいひとすぎる人/本名で仕事をやっていることがたまに不思議になる夜勤明け/僕に見えるこの僕みたいな人生をあなたなら続けられたんですか/まあ別に半分以上そうだからそうだよなとは思うんだけど2022/12/31
うさぎや
7
著者の第1歌集。好きな歌は「Amazonで2巻と3巻を買ってメールでおすすめされる1巻」2022/11/13
空の落下地点。
2
「了解」は他者の意見を裁断するシュレッダーであり、僕として生きることの決意表明。朝の駅で歌う人は、おそらくサラリーマンたちより収入がないと思うんだ。でも、自由度は圧倒的に上。だから皆、羨ましい。立ち止まって聴く時間がなくとも、リスペクトはしてる。せざるを得ない。洗濯物を濡らす雨を歓迎するのは、もう物理的に必然的にどうしようもなく、休む理由が出来るから。揺れてて怖いのは首吊りを連想させるからでしょう。2023/11/01