出版社内容情報
前衛短歌の旗手、塚本邦雄────
その没後、同時代を生きた盟友として
自ら厳選した代表歌五百首を深く、熱く、
読み解き語る 菱川善夫、畢生の仕事
…菱川が、自らの死の二週間前まで、淡々と塚本邦雄の生涯にわたる作品の解説、鑑賞、批評を継続したことに、私はある厳粛な思いを禁じることができない。菱川善夫にとって、塚本邦雄こそ、生涯のテーマであり、それはとりもなおさず、菱川善夫という評論家の基底であり、レーゾンデートルでもあったのである。その生涯のテーマ、目標に死の二週間前まで取り組むことができたことは、ある意味では、評論家冥利に尽きると言ってもいいのではなかっただろうか。 (永田和宏「解説」より )
解説=永田和宏
あとがき=菱川和子
資料 代表歌五百首
写真・装幀=間村俊一
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chisarunn
6
前衛短歌、一読しただけではぜーんぜん意味のわからない塚本邦雄の短歌に解説をつけて、カルチャーセンターで講義されたものの書籍化である。よくわかる。「銃身のやうな女に夜の明けるまで液狀の火藥塡めゐき」エロいですねー。でも塚本の「革命」については解説されてもわからない。自分らにはもう戦争も全学連も安保も遠い。そのへんが少し悲しくもある。2021/07/01
水紗枝荒葉
1
「出版当時の政治的・文学的コンテクストではどう塚本邦雄が読まれたか」を知るのに使える。逆に言うと、現代的な読解ではない。2024/01/31