かりん叢書
歌集 硝子の島

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  • サイズ 46判/ページ数 179p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784862725462
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

出版社内容情報

大航海時代の世界地図には
記されていない国
〈ジパング〉からの旅人である「私」は
ベネチアで
FUKUSHIMAの
名を耳にする──。

被災ののちの
日本の原像を求めて訪ねる
東北、南島、
そして老いゆく母
静かな中に勁さを秘めて
いま、自在にうたう


シャワー浴びるわたしは寂しい巨大花スマトラオホコンニャク今夜咲かむとしつつ
ベネチアに見てゐる古地図日本のあらかじめなくこののちもなき
列島に日本人のみ残るといふあの舟に吾は帰るべきなり
白秋がせし恋どれも深傷なり摺られながらに林檎かをりぬ
わが裡のしづかなる津波てんでんこおかあさんごめん、手を離します

内容説明

被災ののちの日本の原像を求めて訪ねる東北、南島、そして老いゆく母。静かな中に勁さを秘めていま、自在にうたう第五歌集。

目次

1 おほきな花(おほきな花;働く船 ほか)
2 硝子の島(翼と薔薇窓;右手 ほか)
3 河童抄(でんでら野;河童橋 ほか)
4 椿曼荼羅(風呂敷包み;ぼたんゆき ほか)
5 遠来(余白;雛と山桜 ほか)

感想・レビュー

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あや

23
2017年刊。川野里子さんの第五歌集。東日本大震災の時期を挟む旅行詠、日常詠、介護の必要なお母様を詠まれた歌、時事詠、どれも良い。   あきつしまに孤島のさびしさ湾岸のアスファルトのうへ日傘にあゆむ/ブルーシートをかけし大屋根みちのくのあをい傷痕あざやかなまま/星一徹ひつくり返す卓袱台を台詞なくつねに拭きゐし明子/ある日記憶に残る花を母は言ふ照明弾のやうに赤い花なり/見るあたはず触るるあたはず原子炉は怨嗟のやうな発熱つづく/逃げたこと止まったことも罪となしこの国しづか泥土のやうに2024/11/04

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