内容説明
英国、アイルランドと日本。グローバリズムと伝統。それらの往還を通して、相対主義の行き着いた果てなる今世紀に見えてきたもの。現在を超える時間のほの明かり。第八歌集。
目次
星の友情
判断
肯定
人
出現
必然
火
有限
庭
ヤマト・アライバル
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
49
#香川ヒサ #短歌 死に近き茂吉の見たる梅の花ゴッホの見たるアーモンドの花 永遠で普遍なる存在を考へて人は時間が足りない 「良いことは何もない。」とふ書き出しの小説に在るいろいろなこと2016/06/14
井月 奎(いづき けい)
42
芸術というのは恣意的な結晶です。世界や自然、社会のありようや関りを自分のなにかで結晶させる。それは自然や社会、関係や存在が長い命を得ることにもなるのですが、同時に個人の創り出す美のインクルージョンになるということでもあります。『ヤマト・アライバル』というのは大阪国際空港に着陸する航空機が奈良上空を通る際の航路の名前で、その航路はいまはないそうなのです。そのきらめく翼灯はしかし香川ヒサの歌の中で灯りを連ねています。2022/01/20
はち
3
まずはタイトルがカッコいい。香川さんの作品らしく、普通の歌集とは一線を画すタイトルだ。前作に比べれば日本を詠んだものが増えてはいるものの、ヨーロッパの歴史や文化を知っていた方がより理解しやすい作品だ。連作として作る意識がとても強い歌人でもあるので、連作を作るための見本にもなる。2016/05/31
浦和みかん
1
帯やあとがきを見ると作者は欧州に馴染みがあるらしい。グローバル経済や現代科学や宗教から人の在り様を探求しているように見える。2016/11/27