感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
41
#野口あや子 #東海のうたびと #短歌 繋ぐ手を糧としながら水分のすくなき蓮華ばたけのそらは 沸かしあげたる麦茶のなかに墜ちていく無数のわれの逆子のごとし こぼれれば拭くいのちかな薄布巾でこぼれしたたるsalaryを拭く きみがためティファールで湯を沸かしつつこれはあらびあよりきたる豆 濁点の抑えぎみなる雨音がうえからしたへながれゆくまで 水道水に濡れるグラスに口唇(くち)をあてブリリアントでエゴイストなきみ2016/07/22
ちぇけら
22
すっぴんがすきだといったきみの眼をラム・シロップに漬けてフランベ。来世はマカロンとマシュマロのハーフにうまれたいし、またひとり嫌いな男がふえた。神社でなんども祈った安産の子宮がいつもよりつめたい。好きなひとはひとりきり。赤羽で飲むといったきみのくちびるを辿り、赤羽とつぶやいて達する熱帯夜。エアコンは25℃、972羽の折鶴。泡立った月あかりのしたで、甘いものたちを串刺しにして無糖サイダーに角砂糖をおとす。いつまでも可愛くいたいのに、月にいちど乾いていく。だからせめて、真っ赤に染まったものは資源ごみにだす。2019/08/14
双海(ふたみ)
8
「美しさという執念の一本をポーチの中からひらりと出して」「少女みな薄色のシャツ、地下鉄のひかりをゆらす風つきぬける」「逢い見てののちのこころの夏ならばポニーテールはひかりに変わる」2023/10/05
Kaoru Murata
7
濃い相聞から性愛。強い女性と粋がっている主人公。私はこの手の歌が苦手なんでさっと流し読み。/現代に益荒男(ますらお)おれば一晩をわれかがやきて眠らせはせず/ばりばりの僕の残滓もそのままに眠ってしまうわがこいびとよ/つむがれてつむがれてなお一糸なる男を断てばよろこびは勃つ/労働の塩をうたえる男いて砂糖まぶした肉われは焼く/うららかに搾取されゆく肉体の門をひらいて夕暮れとおす2015/06/21
マコ
6
「この歌集の連作は、砂糖細工でデコレーションされたケーキをひとつずつフォークでずたずたにするように作りました。」これは序文にしてほしかった。そしたら初読でもっと理解が深まるのに。この歌集からはところどころ最果タヒ成分を感じた。抒情的なこの現実にすべりこむ 猫ということは権力である/コンクリート打ちっぱなしに春菊をなげつけ次に誰を愛そうか/神経をゆびのさきまで塗り込んでひらく もとから弱者であった/砂糖水にレモン絞ってあきらめないあなたの夏についていきます2020/01/29
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