内容説明
三十代に入った著者の、『月と自転車』につづく第二歌集。
目次
さくらの森へ
樹の幹に
れらみれらみしらみれしら
ジャケット
降りやまぬ雨
可口可楽
花言葉
恋よりもさきに身体が
みづに濡れれば
なかぞらに〔ほか〕
著者等紹介
栗原寛［クリハラヒロシ］
１９７９年東京都生まれ。２００１年早稲田大学第一文学部文学科日本文学専修卒業。２００５年第一歌集『月と自転車』（本阿弥書店）出版、現代歌人協会賞最終候補となる。「朔日」同人、現代歌人協会会員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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秤
8
朝のしづくを分け合ひたればすずらんにのみ語りたるひみつのこひは｜みづからをうしなはぬためさやうならを言ひに行く森のけやきの木まで｜樹の幹に背中をあづけうつつより離れんとすれば若葉さやげり｜うつくしきよこがほなりし少年期をおもはせてこの若きちちおや｜かなはざる恋ばかりして過ぎゆきし十代のわが性のいとしき｜愛などと人らの軽く口にするゆふべ 気安くわれにふるるな｜うつすらと髭の伸びゐて眠りゐる細きあぎとを指にてたどる｜どれもこれも合はぬ気のしてゐるままに一人称がいまだ決まらず2023/02/14
