目次
1(叫び;電磁波の渚 ほか)
2(梟首;父祖 ほか)
3(かぼちゃランプ;七月の燕 ほか)
4(屋根のある橋;子どもの樹 ほか)
5(島とんがらし;我、空ろなる箱なれば ほか)
著者等紹介
奥田亡羊[オクダボウヨウ]
1967年、京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒。佐佐木幸綱氏に師事。「心の花」会員。1999年、短歌研究新人賞次席。2005年、短歌研究新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
46
#奥田亡羊 #短歌 スタジオの光と闇の境界にストップウォッチの秒針見つむ #返歌 フロアへの光と機械室の闇サブを支配すクロックの音2016/05/10
はち
4
一風変わった歌集だ。まずタイトル。自分の名前をつけた歌集はかなり珍しい。バンドのファーストアルバムを連想させる。表紙の花も歌集らしからぬ。内容はもちろん歌集なので短歌が並んでいるのだが、ビジュアルに訴えかけてくる。(この辺は幸綱さんの跋文を読んでほしい)作者はテレビマンを辞めて山に入る。農業に取り組む歌も多い。型破りな歌集と言わざるをえない。2016/09/18
夏野菜
4
著者は元NHK職員。仕事を辞め、離婚し、無為に過ごした日々を歌う。これが第一歌集。有名な「宛先も差出人もわからない叫びをひとつ預かっている」をはじめグッとくる歌がたくさん。「我が父祖の我から数えて五人目に殺されし男ありけり」、「腕なくば箸を使わぬ食い方があるのだ天に揺れる向日葵」、「山の夜を雪は降りおり降り積もりやがて眼を閉じてゆく沼」。2013/11/22
おとむらい
0
解説の佐々木幸綱のドンキホーテ的な男歌というのが、なるほどと思った。非常に喜怒哀楽の哀のかたまりで、哀というのはハードボイルドなのではなく、ドンキホーテなのですね。2025/04/16