目次
善光寺と周辺十諏訪社との整合的関係
善光寺ルーツとしての諏訪大社
新旧学説にみる、善光寺と諏訪大社の密接な関係
お伽噺としての善光寺縁起
根強く伝承されている善光寺東向き説
東向き善光寺は、長野市権堂に存在していたか?
東向き阿弥陀堂としての、宇治平等院と信州善光寺
善光寺と関係があった中尊寺と法勝寺の、東向き阿弥陀堂
平安阿弥陀堂の荘厳と、善光寺阿弥陀堂の荘厳
水内大社、水内郡寺、善光寺阿弥陀堂の共存〔ほか〕
著者等紹介
長尾晃[ナガオアキラ]
歴史文化研究家・建築家。1965年長野県生まれ。1990年東京藝術大学大学院美術研究科(建築専攻)修士課程修了。1996年長尾晃建築研究所設立。著書に『堀辰雄のキリスト教―二人の多恵子と聖テレジア』(草思社文芸社W出版賞銀賞受賞)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
44
善光寺と諏訪大社、二つながら故郷信州ゆかりの宗教施設であり、その思わぬ繋がりの解明は、これまで疑うことをしなかった事柄について、大胆な転換を迫らされる。善光寺の創建と諏訪大社金刺氏との関わり、本田善光云々の話は御伽話の類、近世以前の善光寺は東向きの伽藍であったことの論証、現善光寺の守屋柱の由来等々、古今の典籍建築史資料を駆使しての著者の謎解きは、上質なミステリーを読むのにも似て驚きの連続でした。長年のフィールドワークの結晶として、研究者冥利に尽きるのではないか。読者としても、知的興味を満喫した時間でした。2022/02/20