内容説明
第14回神戸エルマール文学賞受賞作。四編の物語が奏でる生と死のシンフォニー。
著者等紹介
稲葉祥子[イナバサチコ]
1967年生まれ。大阪府出身。外国人留学生を対象とした日本語教師。2007年「髪を洗う男」で第24回大阪女性文芸賞佳作。2015年「装飾棺桶」が太宰治賞最終候補となり、『太宰治賞2015』(筑摩書房)に掲載される。2020年「あやとり巨人旅行記」で第14回神戸エルマール文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんのすけ
3
大阪府内をゆっくりと雄大に流れる大和川の川沿いを歩くゆったりした時間。そんな時間とは裏腹に、PCの電源を入れて使えるようになるまでの時間や炊飯器のスイッチを押してご飯が食べられるようになるまでの時間まで、無駄であり無くなればいいと思っている人が多い。だけど、そのゆったりした待つ時間を大切にしている人もいて、そんな時間と引き換えに生まれた人間に私は惹かれ一緒にいることに至上の喜びを感じる。人にとって空疎な時間だけれど大和川のようにゆったりと流れる時間を作ってくれる人と寄り添って生きていきたいという筆者の思い2021/10/09