内容説明
「スモッグだ!」クラウディアに叫んだ。「あれが見える?スモッグの雲だよ!」だが彼女は、…何かに気をとられていて、鳥のひと群れが、飛ぶのを見ていた。そして私はといえば…。存在の仕方が異なる五人の副次的人物との関わりから描かれる「私」という人物像。樹上を軽やかに渡り歩く「ペンのリス」カルヴィーノの1950年代の模索がここにもある。他に掌篇四篇併載。
著者等紹介
カルヴィーノ,イタロ[カルヴィーノ,イタロ] [Calvino,Italo]
1923‐85年。イタリアの作家。第二次世界大戦末期のレジスタンス体験を経て、『くもの巣の小道』でパヴェーゼに認められる。小説の他、文学・社会評論など
柘植由紀美[ツゲユキミ]
2009年10月から2011年9月までトリノ大学文学部在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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