歩く大阪・読む大阪―大阪の文化と歴史

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  • サイズ 46判/ページ数 480p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784862658289
  • NDC分類 216.3
  • Cコード C0095

内容説明

大阪とは何者なのか?難波の宮の古代からの都市づくり、時には多くの堀を開き、水の都とし、商業都市に変貌してみせた。井原西鶴や、優れた町人学者を輩出し、西洋医学を広め、独自の町人文化を創りあげた。明治以降、多くの作家たちは夜の街、食の街を舞台にしてあまたの傑作を生みだした。こうした作品を読みこんだ著者は、自らこの地を歩きつづけ、よく見、感じ、探り、都市・大阪の精神を書き上げる。

目次

第1部 大阪の歴史と文化を訪ねて(上町台地に始まる大阪の歴史と文化)
第2部 文学作品に描かれた大阪(幕臣の一揆を描く、森〓外の歴史小説『大鹽平八郎』;道頓堀の夜の物語、上司小剣『鱧の皮』;サラリーマン作家の大阪小説、水上瀧太郎『大阪の宿』;食の文学、織田作之助『夫婦善哉』;大阪女の三部作、織田作之助『女の橋』、『船場の娘』、『大阪の女』;故郷の上町台地を舞台に、織田作之助『木の都』;戦争の傷痕を背負って川筋に生きる人々の物語、宮本輝『泥の河』)

著者等紹介

平田達治[ヒラタタツジ]
1934年奈良県生まれ。大阪大学大学院文学研究科(独文学専攻)修士課程修了。大阪大学大学院言語文化研究科教授を経て、1998年同大学を定年退官。大阪大学名誉教授。専門はドイツ・オーストリア文学・中欧都市文化論。著書:『放浪のユダヤ人作家ヨーゼフ・ロート』(鳥影社、日本オーストリア文学会賞受賞)などがある。編著・共著:『ナチス通りの出版社』(人文書院、出版学会賞受賞)などがある。訳書・共訳書:『ウーファ物語―ある映画コンツェルンの歴史』(鳥影社、ダウテンダイ翻訳賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katherine

18
本を読んでいると、背景となる街を歩いてみたくなるときがある。上町台地もそう。かつては海岸線が平野部まで深く入り込み、上町台地が半島のように突き出していたらしい。夕陽ヶ丘は大阪湾に落ちる夕日を眺める絶好の場所だった。堀川を作り、大阪の水上交通網を発達させた古の賢人たち。現在の大阪の街の礎に触れることができた。後半は、文学作品に描かれた大阪について。背景を知って読むのは大違い。宮本輝「泥の河」を再読してみたくなった。2021/05/07

わ!

1
大阪の町中を舞台とした小説を紹介している。もっと大阪の土地に寄り添って書かれるものだと思っていたのだが、ほぼ全編小説よりの説明となっている。特に水上瀧太郎の「大阪の宿」の章などは、ほぼ全文引用ではないのかと思えるほどの書きぶりで内容を説明し、補足文に近い書き足ししかされていない様に思える。対象が文芸作品ばかりなので、この読み方では、原作の世界観を崩してしまう様で勿体無い気がする。「せっかくのオダサク作品が…」ってコトにならないタメにも、まずは原作を読み終えてから、この本を読み始めることをオススメしたい。2023/05/10

マウンテンゴリラ

1
生誕以来、半世紀以上も暮らしてきた大阪であるが、正直なところ、特に強い愛着を抱いてきたわけではない。その一つの要因というのが、本書の中でも言及されている、金銭に対する極度の執着、いわゆる"がめつさ"が際立つように感じられる点にあった。江戸時代以降、商業の町として栄えた歴史的背景より、ある程度当然のことと言えるかも知れないが、西鶴や近松に代表される町人文化にもその傾向は見られると思う。一方、それと表裏一体であるかもしれないが、権力者への反発、反骨精神というものもひとつの特徴であると言えそうだ。→(2)2021/08/09

taco

1
大阪関連本を数冊読破した感じです。著者の大阪愛が、ビンビン伝わった。土地勘があれば非常に楽しかったです。2020/12/06

katashin86

0
織田作ゆかりの上町台地から始まる大阪の歴史と文化を、文学作品を読み解きながら味わう一冊。2022/07/06

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