出版社内容情報
佐藤恵三[サトウケイゾウ]
著・文・その他
内容説明
巷間で語りつづけられたこの謎めいた資料は事実なのか、またその真意は何であったのか、それに限りなく近づこうとする試み。
目次
カール十一世の幻視にまつわる物語(アルント(=クライスト)のヴァージョンについて
ヴィリバルト・アレクシスのヴァージョンについて ほか)
別の視点からのこの「幻視」に対する否定の所論
「幻視」の文書が出まわったとされる時期以降の政権担当者の内情(ウルリーケ(カ)・エレオノーレ(ラ)とフレードゥリク(フリードリヒ)一世
アードルフ・フリードリヒ ほか)
結論に向けての多面的な考察(「幻視」の文書の存在証明にあらずして非在証明なり;文書の内容のオカルト性は何を示すのだろうか ほか)
補遺―L¨owenhielm(レーヴェンイェルム)の問題
著者等紹介
佐藤恵三[サトウケイゾウ]
弘前市に生まれる(1935)。京都大学ドイツ語・ドイツ文学科修士課程修了(1971)。京都産業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
54
スウェーデン王カール11世が見た、後の王が暗殺される幻。その幻について書かれた小説や文献、人物についてまとめた一冊。自分のようにスウェーデン王室や国自体の歴史にほとんど知ることは無く、ノーベル賞の時期に目にするくらいの人間にとっては極めて難解であった。こういう政治的文章を読むのはその事件が起きた前後の状況を知っている事が前提であるが、それについてほとんど知らないのがまずきつい。ついで人物を微細に解説してくれているが前提の立場を理解することから始めないといけないのもきつい。自分の無知故、きつい一冊でした。2019/11/19