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出版社内容情報
スイス文学会[スイスブンガクカイ]
内容説明
スイスをスイスたらしめているものは何なのか。文学、芸術、言語、歴史などの総合的な視座から、小さな国の大きく豊かな存在の秘密を明らかにする。
目次
1 独特のスイス(『私たちスイスの立場』―カール・シュピッテラーの演説;J.R.V.ザーリスのスイス観―冷戦期の中立理解を手がかりに;多言語グラウビュンデンのレト・ロマン語方言の書きことば成立の歴史 識字教育につながる聖書翻訳とその文学的開花例としての抒情詩;シャルル・トリッテンの『ハイジ』続編―スイスの国民的アイデンティティとの関連で)
2 文学的諸相(ヘルマン・ヘッセとスイス―「郷土愛」と「ナショナリズムからの離脱」;ポリフォニーの響き―ローベルト・ヴァルザーの散文における音楽性;「チビノヤコプリ ジジノヤコプニ ヨロシク ヘディ」あるいはフリードリヒ・グラウザーの探偵小説『体温曲線表』における言語の複数性と言語の彼岸;マックス・フリッシュ『アンドラ』におけるユダヤ人像―バッハマン、ツェランとの伝記的関係からの考察;罪なき者の罪―ルーカス・ベアフース『一〇〇日間』におけるヨーロッパ理念の解体と当事者性について)
3 図像と文字をめぐって(二種類の小人が意味するもの―クリストフ・バドゥー他『連邦警官ショッホ―赤いとんがり帽子作戦』における小人のモチーフ;アドルフ・ヴェルフリ―無限増殖混淆曼荼羅―字と絵のカオス・コスモス)