内容説明
フランス革命前夜の知の巨人ディドロ。彼の思想をまず自然哲学的分野と美学的分野に分けて考察を進め、次に二つの分野の複合性を明らかにしてその融合をめざす。長年の論考の画期的集大成。
目次
1 自然(自然哲学の展開とその諸相―物質‐運動関係を軸にして;ディドロにおけるモーペルテュイ―『自然の体系』をめぐって;モナド的世界と物質的世界―ライプニッツとディドロ;ディドロの物質観の特質;化学への関心とその意味;「予見の精神」と“ダランベールの夢”)
2 藝術(「関係の知覚」と「美」―『百科全書』項目「美」の再検討;「自然の模倣」とその藝術的効果について―絵画を中心にして;『サロン』におけるグルーズ評と絵画批評の基準;“グルーズ問題”と歴史画の要件;自然と藝術の融合をめぐって―ディドロ「ヴェルネの散歩」についての一考察;自然と藝術の境域―『俳優についての逆説』をめぐって)
総括と展望
著者等紹介
冨田和男[トミタカズオ]
1945年生まれ。1974年早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了。1978年同博士課程満期退学、同年4月早稲田大学高等学院教諭就任。2013年3月退職。日本十八世紀学会、美学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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