旧石器捏造事件の研究

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784862652409
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0021

内容説明

2000年11月5日、日本考古学会は崩壊した!「かくも長き捏造」はなぜ発覚しなかったのか?考古学を愛し、埋蔵文化財分析に携わる著者が、四半世紀にわたる大がかりな捏造事件の真相にあらゆる角度から分析して迫る、渾身の一冊。

目次

第1章 旧石器捏造事件とはどんな事件か
第2章 捏造事件の本質と構造
第3章 石器研究法から見た捏造事件
第4章 学史から見た捏造事件
第5章 あとがきにかえて―捏造事件から未来の考古学へ
巻末資料1 前期・中期旧石器発見物語は現代のおとぎ話か

著者等紹介

角張淳一[カクバリジュンイチ]
1960年生まれ。長野県小諸市出身・在住。國學院大學大学院博士課程(史学考古学)修了。埋蔵文化財整理・図化・分析の考古学研究所(株)アルカ代表取締役。全国の都道府県、市町村より遺物を預かり、今までに約1000遺跡の遺物を手掛ける。石器図化分析数は推定10万点余。日本考古学協会、長野県考古学会、佐久考古学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ステビア

18
岡村・梶原が捏造事件の筋を書いたのだ、という恐るべき主張がロジカルに語られている。また、事件の源流はナショナリスティックな日本人起源論にあったともいう。下手な推理小説よりも面白い。もう少し構成を良くできたと思うが。著者は捏造を告発した心労から早逝したという。冥福を祈りたい。2015/06/29

majiro

9
時間がなくなってきていると思った。著者自身が鬼籍に入り、この本の中ですでに、重要関係者の多くが「故」とつけられて紹介されている。残すべきものを残しておかないと、長く禍根が残るように思った。2018/12/25

nob sat

2
毎日新聞は報道の立場から本を書いたが、こちらは研究者が事件を追及する。まず捏造の時期に前半後半があり、前半の学説に沿った緻密さが後半なくなるという点。そして藤村新一という人物が実は学問的には石器に無知であるという点を明かす。そこから、これら捏造は研究者の知恵がないとできない、つまり共犯というか指導した者がいることを指す。この事件研究は冷徹に、旧石器時代研究者の学説とこれに合致した発掘の捏造をあばく。そして読後には、この著者の方が本当だろうとという確信を得る。最後に著者の考える黒幕の一人、岡村氏の本を読んで2013/03/16

星野七生子

2
松藤書に続いて読了。岡村書はまだ読んでないけど、この一冊だけ読めばだいたい把握できるのでは…。徹底して確かな証拠を提示し(ているように思え)、捏造事件と考古学界の関係を論じている。前半は藤村周辺の異常さに驚き、後半は岩宿遺跡などの戦後考古学史と捏造事件の関係に驚かされました(素人なので理解できない部分もありましたが…)。今年の5月に出てまだ初刷なのが信じられないぐらいよい本です。これに比べて先に読了した松藤書はあくまでも感想を述べた研究者のエッセイ(それはそれでおもしろかった)。次は岡村書を読みます。2010/12/26

やま

1
なかなか読む気になれなかったのですが、手に取ると一気に読了しました。捏造事件は表向きには解決していますが、根は相当深そうです。本当の真実はなんなのでしょうか。筆者もこの事件に巻き込まれた被害者なんですね。ご冥福を祈ります。2017/05/08

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