内容説明
デューラーに対する限りない敬愛、ラファエロ、ミケランジェロなどイタリア画家たちへの深い共感、そして音楽へのオマージュが奏でられる。
目次
第1部(昔のドイツの芸術家たちは、どのように生きたかについての叙述、その際例として、アルブレヒト・デューラーとその父である先代アルブレヒト・デューラーがあげられる;イタリアの書物から翻訳された物語;ラファエロの肖像;ミケランジェロの最後の審判;聖ペテロ寺院 ほか)
第2部 ヨゼフ・ベルクリンガーの数編の音楽論稿(裸の聖者の不可思議な東洋のメールヒェン;音楽の不可思議;あらゆる芸術における様々なジャンルについて、とりわけ教会音楽の様々な方法について;ヨゼフ・ベルクリンガーの手紙の断片;音楽独特の内面的本質と現代器楽音楽の心理学 ほか)
著者等紹介
毛利真実[モウリマミ]
1961年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部独文学科卒業。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。学術博士(神戸大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tieckP(ティークP)
1
原文をつまみ食いしつつ再読。ティークが書いたところが『真情の披瀝』より多い。あちらの方がまんべんなく面白い。こちらは、亡き友ヴァッケンローダーが書き残したことをティークが会話を思い出して必死に記録として残したのだろうな、と思うと内容を離れた感動はある。音楽評論の割合が多いが抽象的なので、よほどの関心がないと読むのは苦しいかもしれない。訳は外国の方が訳したかと思うほど日本語がこなれていません。2014/09/15
さとう
1
芸術=宗教ってのがよく分かる。俗世の塵にまみれた人間からすると「生活辛かったのかなあ」とか品のないことを思ってしまうまでの信仰っぷり。2010/12/02
tieckP(ティークP)
0
ドイツ・ロマン派の始まりの一人と呼ばれ、惜しまれながら夭逝した、宗教的芸術愛好家ヴァッケンローダー。僕は盟友で遺稿整理者のティークの方が評価されるべきだと思っているけど、そのティークに生涯消えない芸術的価値観を植え付けた作者だけに、この本に見られる揺るぎなき芸術愛はまるで宗教である、まあほんとに宗教なんだけど。訳がひどいのと解説がないのは不満。でも、この本を訳してくれたことへの感謝とで相殺かな。当時の素人芸術観(とりわけ音楽)を知りたいか、芸術への澄んだ熱狂に感化されたい人にのみ勧めます。2012/02/19