内容説明
フィリピンは太平洋戦争最大となる50万人の戦死者を出したと言われる戦場であった。この小説は、そのフィリピン・ルソン島の北部山岳地帯のイフガオ州を舞台に実在の人物である衛生兵の幹伍長と日赤救護班の粟生よみ(旧姓佐藤)婦長を中心に描いた物語である。苦しい戦場と軍隊の実態を泥沼とするならば、そこに咲いた白い蓮華のように美しい心の持ち主の出会いと交流は、戦争体験記を超えた「永遠の人間ドラマ」となっている。
目次
ルソン島各部隊の行動地図
大和基地とアシン河・トッカン河
元兵士たちの宴会
バギオ会
謎の文章
サンバギータの香りなつかし
クチナシの花は悲しい香り
ジンジャーの香りいとおしい
総軍司令官マニラ市に
レイテ沖海戦〔ほか〕
著者等紹介
大神田三夫[オオカンダカズオ]
1931年(昭和6)神奈川県生まれ。サンケイ新聞年鑑局調査部、株式会社湘南サンケイ広告社代表取締役などを経て、株式会社フジサンケイ企画参与として現在に至る。社団法人神奈川県宅地建物取引業協会相模南支部広報委員長を務めていた頃から戦争記録の研究と戦争生還者の回顧録(自分史が中心)の調査と執筆を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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