内容説明
「そんな人と付き合うあなたを信じることはできないわ」交友関係に口を出す母親。「大人たちは、将来ばかりを押しつける。子どもだって今生きてるのは明日のためなんかじゃないわ。それに、今ステキに生きてなくて、大人になった将来ステキに生きることなんてできるのかしら。…」と主張する友達のはるか。青春前期で煩悶する中学三年の淳子を描いたタイトルストーリー、ほか三編。衝撃のデビュー作。
著者等紹介
尾崎美子[オザキヨシコ]
1949年、愛媛県松山市に生まれる。松山東雲短期大学保育科、仏教大学社会学部卒業。幼稚園教諭を経て、現在は大津市子ども家庭相談室にてソーシャルワーカーとして働いている。創作を岩崎京子氏、今関信子氏に師事。「さん」の会、「萌」同人
クニモトミチコ[クニモトミチコ]
1954年生まれ。岡山大学教育学部特設美術科卒。中学校美術科教諭を経て「アトリエ・モラ造形教室」を主宰。絵本作りや製本を学びデザイン絵本のワークショップも行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さやか
1
やや説明的。とても理知的。聡明で、落ち着いていて、べったり甘いのではなく、ちらほらと、優しい。いつも絶やさない静かな微笑みも、ただ優しく受け入れているだけではなく、どこか厳しさをたたえている──そんな、一冊。つまり、物語には、やはり、多かれ少なかれ、書き手の何かが投影されるのだね、と。「これってあれのことやー」的読み方?はひとまず置いておいて…、賢くあること、自分の頭でしっかりと考え、思うことが、どれほど人生を濃く深くしてくれるか、この物語を通し、多くの少年少女が気づいてくれたらいいなと思います。2012/09/06