出版社内容情報
絵本。カラー、モノクロ。
終戦当時の京都の町、人、くらしを描いた水彩画を通して伝える平和へのメッセージ。
当時、小学生だった少年の目を通して京の町の戦争、心の中に残る悲しい記憶を語る。
終戦の直前、避難場所確保で、人が生活する家の取り壊し命令。
留守を守る近辺の女、子どもたちが集まって、家を取り壊す。
ともに遊んだ友達の家、想い出いっぱいの家に縄をかけ、引き倒す。手に力を振り絞って縄をひく。
その心の傷は、60年過ぎた今も痛み続ける。
対象:小学校低学年~。
妓らに逢う簾小路の町が好き(祐佳)
「京都が大好き」京都人の著者からの平和へのメッセージ。
平安京以来1200余年の古都、京の町。
空襲をあまりうけずに、終戦をむかえ、今も、美しい日本の歴史を刻み続ける。
しかし、人々の心の中には深い戦争の傷跡が残る。
避難場所確保で、人が生活する家の取り壊し命令。
泣きながら、友達の家に縄をかけ、力を振り絞り引き倒す。
今の今まで、遊んだ家、人が生活していた家を引き倒す。
子どもの小さなこころに計り知れない大きな、深い傷。
涙するだけではいけない。
戦争の悲しい記憶、その傷の深さを伝え続けることが、今に生きる私たちの仕事だと思う。
※著者自ら描く京都の昭和の町並み、くらしがとてもいい!
巻末、俳句に添えられた京都の画に心がいやされる。
著者等紹介
松本祐佳[マツモトユカ]
1941年京都市蛸薬師に生まれる。1964年蛸薬師高倉に嫁ぐ。日本児童文学者協会員。京鹿子社俳句同人。文人連盟会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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