目次
第1章 序論―「新しい公共(空間)」政策言説への視座
第2章 統治性/統治性研究とは何か(統治性研究についてのイントロダクション;統治/統治性とは何か―その概念と系譜について ほか)
第3章 統治性転換と「新しい公共」概念の諸類型(統治性転換という観点からの「新しい公共」概念の類型化;ロールバック新自由主義の「新しい公共」概念 ほか)
第4章 「新しい公共(空間)」政策言説の分析(第一期:ロールアウト新自由主義型言説の形成期(一九九七年~)
第二期:ロールバック新自由主義型言説の隆盛期(二〇〇三年~) ほか)
第5章 結論―統治性研究から「新しい公共(空間)」政策言説を考える(統治性研究から「新しい公共(空間)」政策言説を考える
「新しい公共」概念類型の構図からオルタナティブを素描する)
著者等紹介
宮川裕二[ミヤガワユウジ]
1973年神奈川県生まれ。法政大学大学院公共政策研究科(公共政策学専攻)博士後期課程修了。博士(公共政策学)。現在、法政大学兼任講師・名城大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mealla0v0
6
本書は、統治性研究を用いて日本政治、とりわけ「新しい公共」をめぐる政策言説を分析する。前半はフーコーから英米圏の統治性研究までを整理し、後半では自民党から民主党までの政策的展開を新自由主義的統治性として把握する。本書は、国家が社会的領域から撤退する新自由主義(ロールバック型新自由主義)と、連帯が切り崩され析出された個人の支援を謳う新自由主義(ロールアウト型新自由主義、第三の道など)を分節することで、新しい公共がどのように編成されているかを分析する。権威主義的な手法を組み合わせていることも指摘されている。2023/05/29