- ホーム
- > 和書
- > 教養
- > ノンフィクション
- > ノンフィクションその他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
22
キューバ革命を共に成し遂げたチェ・ゲバラについてカストロが語った言葉を拾い集め掲載されている。僕自身は超ノンポリなので革命だのそれに伴う主義主張だのには全く興味がないのだけれど文字通り生涯を投げ打つ程の活動を共にした仲間を語る言葉、後に袂を分かって先に逝ってしまった仲間を語るカストロの言葉には入り込んでしまった。既に公の場からは姿を消した老齢のカストロ。もしも死後の世界があるのなら彼は誇らしい思いで先に旅立った親友に再会できるんだろう。「ゲバラは20世紀で最も完璧な人間だ」というサルトルの言葉を思い出す。2016/11/22
波 環
6
死んだ人はそれ以上、危険なことやヘマはしないから、カストロにとって、ゲバラの死はゲバラの価値を確定させることができた。彼のことを好きで尊重したいからこそ、彼がしたいことを止めることができなかった、と演歌みたいなことを何度も言っているけど。カストロにできることは、ゲバラ的価値を語り続けることで、カストロによる統治の精神的な基準を強固にすること。たぶん、本当に好きだし、大切に思っていたんだろうけど、大切に思う、そして行動する、のレベルがカストロもゲバラもとにかく独特なわけで、だから革命家なわけで。2024/01/15
sagatak
5
カストロによるチェの回想録というスタンスの本で、たしかにその通りチェの素晴らしさが全編通じて何度も語ってあってそれはそれで良い。が、しかし私がここから感じるのはそこまでしてもカストロは自らが前面に出ることはある意味できるだけ避けて、チェの性格信条を通してキューバを導こうと常に努力していたということだ。チェは早死にしてしまったが、チェとカストロの関係はカストロが死ぬまでずっと続いたのだなと思った。2020/06/24
DIVERmope
3
カストロが過去に出したゲバラ関連の声明やインタビューを、年代順に抜粋したもの。本書の特徴は、ゲバラと共に戦い、お互いを深く信頼していたカストロが、ゲバラに近しい者として、当事者として彼を語っている点にある。ゲバラの無鉄砲なまでの勇敢さがアキレス腱でもあったという欠点にも触れながら、ゲバラの死を冷静かつ客観的に分析し、時が過ぎても親友を信頼し続けるカストロの姿からは、一貫した誠実さが見える。長~い演説も見事で、心を揺さぶられる。ゲバラが抵抗のシンボルとなったのは、カストロの尽力によるものが大きいと思える。2012/01/11
sasha
1
キューバ革命の僚友チェ・ゲバラについて、フィデル・カストロが演説や文章、インタビューで語った内容を年代順に編集したのが本書。キューバを離れるにあたってゲバラが残した手紙にも、カストロが語るゲバラ像にも深く強い絆を感じる。「私は今でもチェの夢を見る」とはイタリア人ジャーナリストのインタビューの中でカストロが語った言葉だ。既に要職から退き、公の場に姿を現すことも少なくなったカストロ。あなたは今でもチェの夢を見ますか?2016/02/18