内容説明
思春期は子どもから大人への過渡期であり、心身ともに大きな変化を迎えるとき。子どもも親も今まで以上に悩み苦しむ時期だと言われています。この思春期をもう一度子どもと向き合い親子の絆を深め直すチャンスととらえ、お互いの関係を見直し、わが子を社会に送り出すのが親の大切な役目です。思春期の子どもの心に焦点を当てて、長年小児精神科の第一人者として臨床に携わってきた著者が思春期の子どもがホッとする親になるための秘訣をお伝えします。
目次
序章 思春期の子を見守る親の心がまえ
その1 子どもに“大きな変化”が起きていることを知る
その2 思春期は“親子の関わり方”を見直す時期
その3 子どもとの関係はいつでも何度でも新しくやり直そう
その4 思春期こそ“夫婦”で子どもの成長を後押しする
その5 親は子どもの“心の安全基地”になろう
著者等紹介
渡辺久子[ワタナベヒサコ]
児童精神科医。1948年、東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、同小児科助手、同精神科助手、小児療育相談センター、横浜市民病院神経科医長を経て、ロンドンのタビストック・クリニック臨床研究員として留学し、精神分析と乳幼児精神医学を学ぶ。1993年より慶應義塾大学医学部小児科専任講師となり、現在は退職し、渡邊醫院副医院長。二児の子の母。2008年にアジア初の世界乳幼児精神保健学会世界大会を横浜で開催し、日本組織委員会会長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小鈴
24
初潮のときに母親に一番最初に報告がなかったら要注意。診療室に入って娘と母の雰囲気が似ていなかったら娘は母親を嫌っている、しかもそのことに気づいていない母が多い。母親嫌いで女性嫌悪する娘は自己肯定感が持てず温もりを男性に求める。。。所々は面白いんだけと一般書なので事例の迫力が足りないと思う私をお許し下さい。一般書も専門書も家族は夫婦揃っているのが前提。慶応病院勤務が長いので、そこで診察できる家族の階層は上の方だろう。離婚家族にどこまで響くかは分からない。まぁ両親揃っても悩みは深刻なのは変わらないが。。。2020/11/02
ジュリ
2
思春期の子が精神的に健康に育つためには、親の対応の仕方が大切。親の考えを押し付けたり、子どものことを否定したりする人が少なくないと思う。そういった人にこそ読んで欲しい。2022/07/04
IGBB
2
子どものこころを扱った教育本ではあるが、それ以上に親(大人)のための心理本、生き方本として価値があると思う。「おわりに」に次のようなことが書かれている。親は子どもを育てていく中で、改めて自分自身の生き様や、それまでの人間関係の根底にあった真実と偽りに向き合うことになる。子ども自身が人としてのあり方を模索し始める、それを見ている親も嫌でも自分自身の課題が見えてしまう。本当の自分と向き合いたくないと思っても、子どもが親自身の中にある課題を目の前に突きつけてくれる。子育ては親がいかに自分を育てるかが大切である。2021/03/09
もりりん
2
思春期は我が子を社会に産み出していく陣痛。 痛くない訳がないですね、、。通る道だと思って覚悟します。 親に優しく寄り添ってくれるような本でした。読んでよかった! 2015/12/25
どっち
1
不安定な自分を否定されたり存在を無視されたりすると生きていくこと自体を辛く感じる/思春期の子どもの大変さを思いやる/男子は15歳過ぎたら母親は適切な距離を置く/親子の衝突は避けては通れない/思春期は失敗しながら自分の世界を創り上げていく時期/思春期は成果など出なくていい。本番のための準備期間でたくさん失敗し手探りしながら進んでいくプロセスが自分の力で生きていく土台になる/思春期は子どもと一緒に成長するチャンス/子供は親が思うより力があるが全力のサポートがあるからこそ強くなれる/2021/01/24