出版社内容情報
本書は、東アジアにおける約150年の「アジア主義」の思想的展開を、思想家・政治家・活動家らの一次史料を通じて解明するものである。
日本のアジア主義者のみならず、中国・韓国・トルコ・インド・東南アジアなど各国の文献を収録し、初訳史料も多数含んでいる。これまで知られてこなかった資料から、多様な思想の実像に迫る。
各史料には専門研究者が背景と意義を解説し、文脈を丁寧に補っている。14か国・30名以上の歴史研究者が参加した国際的共同研究の成果である。
日本語版の刊行により、地域ごとの特徴と共通点を比較し、アジア主義の多様性を理解する手がかりを提供する。
【目次】
日本語版の刊行にあたって
序論
第1章 「アジア主義」以前の「アジア」概念 松田宏一郎
第2章 興亜会と亜細亜協会(1880 - 1883年) ウルス・マティアス・ザックマン
第3章 玄洋社(1881年)と近代日本における海外膨張思想 ジョエル・ヨース
第4章 「興亜」 ―─ 荒尾精と井上雅二 マイケル・A・シュナイダー
第5章 樽井藤吉『大東合邦論』(1893年) キュヒュン・キム
第6章 近衛篤麿と黄色人種同盟思想(1898年) ウルス・マティアス・ザックマン
第7章 岡倉天心とアジア主義(1903 - 1906年) 何菁
第8章 黒龍会(1901 - 1920年) スヴェン・サーラ
第9章 宮崎滔天のアジア主義(1915 - 1919年) クリストファー・W・A・スピルマン
第10章 波多野烏峰『亜細亜合同論』(1912年) ルネ・ヴォリンジャ
第11章 永井柳太郎「白禍論」(1913年) ピーター・ドウス
第12章 徐載弼『独立新聞』の論説(1898 - 1899年) 金鳳珍
第13章 章炳麟と亜州和親会(1907年) 蔡源
第14章 アブディルレシト・イブラヒム──『イスラム世界――日本におけるイスラムの普及』(1910年) セルチュク・エセンベル
第15章 安重根「東洋平和論」(1910年) 李・思政
第16章 李大釗「大亜細亜主義と新亜細亜主義」(1919年) マーク・アンドレ・マッテン
第17章 クルバン・アリと在日タタールのコミュニティー(1922年) セルチュク・エセンベル
第18章 ラス・ビハリ・ボース──インド独立運動と日本 堀田江理
第19章 ドイツ、孫文、そしてアジア主義 (1917 - 1923年) スヴェン・サーラ
第20章 第一次世界大戦期のアジア主義──小寺謙吉(1916年)、澤柳政太郎(1919年)、杉田定一(1920年) スヴェン・サーラ
第21章 ポール・リシャール『告日本國』(1917年)、『アジアの曙光』(1920年) クリストファー・W・A・スピルマン
第22章 北昤吉「誤解されたるアジア主義」、「我が国の大使命」(1917年) クリストファー・W・A・スピルマン
第23章 タラクナート・ダス──現実主義的な大戦略としてのアジア連帯論(1917 - 1918年) ジェミル・アイディン
第24章 近衛文麿「英米本位の平和主義を排す」(1918年) 堀田江理
第25章 中野正剛のポピュリズム、ファシズム、そしてアジア主義(1917 - 1942



