出版社内容情報
シリーズ第5巻「渋江抽斎」は鴎外の史伝小説の第一作であり、史伝三部作の一つである。江戸時代の侍医、考証学者であった渋江抽斎とその妻五百や子孫について描いた作品。江戸時代のお金事情や女性が軽んじられていた時代にたくましく生きた妻五百など抽斎の生き様以外の魅力も詰まった作品である。
感想・レビュー
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ネギっ子gen
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【三十七年如一瞬。学医伝業薄才伸。栄枯窮達任天命。安楽換銭不患貧(抽斎の述志の詩)】須賀敦子の『父の鴎外』で、彼女が父から「鴎外は史伝を読まなかったら、なんにもならない。外国語を勉強しているのはわかるが、それならなおさらのことだ。『渋江抽斎』ぐらいは読んどけ」と言われたという記述がある。連れ合いは「私も大学生の時、同じこと言われた」と。わたしもまた高校生の時にチャレンジしたが玉砕した記憶がある。二人して今だったらもう読めるのではないかと。家にある本は活字が小さいので、この大活字本で再挑戦。楽しめました!⇒2025/05/25