出版社内容情報
1960年代、国連アジア極東経済委員会の調査により、東シナ海に莫大な海洋石油資源の埋蔵の可能性が指摘された。これを発端にして中国が尖閣諸島の領有権を主張しはじめ、日中間の最大の懸案になった。1992年には中国は「中華人民共和国領海及び接続水域法」を公布し尖閣諸島は中国の領土に属すると制定した。これにより尖閣問題を双方の話し合いで解決することは一層困難になった。2012年の日本政府の尖閣諸島の取得・保有以降、中国公船による接続水域侵入が頻繁に行われるようになり、中国は翌2013年に尖閣諸島上空を含む東シナ海上空に防空識別圏(ADIZ)を設定、2018年には、中国海警局は「第二海軍」とも言える組織に改変された。中国が経済力を背景に海軍力を増強し圧力を強めており、尖閣問題は新しい段階に入った。
内容説明
急激に台頭する中国、狙われる尖閣諸島。エネルギー資源問題から周辺への主権拡大に変貌した中国外交にどう対峙するのかを示す格好の書。
目次
第1章 尖閣問題につながる六〇年代の海洋石油政策
第2章 中国との対立緩和のための七〇年代の政治的模索
第3章 海洋石油に対する八〇年代の国民的関心の消失
第4章 海洋法条約と九〇年代から○○年代の政治的対立
第5章 中国漁船衝突事件と一〇年代以降の政治動向
第6章 最近の東シナ海情勢
著者等紹介
亀田晃尚[カメダアキヒサ]
1971年福岡県生まれ。2016年放送大学大学院社会経営科学プログラム修士課程修了、修士(学術)。2020年法政大学大学院公共政策研究科博士課程修了、博士(公共政策学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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