内容説明
折々の政治情勢で揺れ動く尖閣の島々。日中両国の詳細な資料を基に、両国の立ち位置がどのように変化していったかを解き明かす待望の書!
目次
第1章 戦後米国の海洋石油政策
第2章 一九六八年ECAFEによる調査
第3章 七〇年代の中国の当初の反応
第4章 七〇年代の日本による海洋石油開発
第5章 七〇年代の日韓共同開発の実現
第6章 七〇年代の日中共同開発への指向
第7章 七〇年代のナショナリズムの台頭と日中共同開発の停滞
第8章 最近の海洋をめぐる日中関係
著者等紹介
亀田晃尚[カメダアキヒサ]
1971年福岡県生まれ。2016年放送大学大学院社会経営科学プログラム修士課程修了、修士(学術)。2020年法政大学大学院公共政策研究科博士課程修了、博士(公共政策学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
21
1969年に国連アジア極東経済委員会が、東シナ海にペルシャ湾に匹敵するほどの莫大な量の海洋石油が埋蔵されている可能性を指摘。本書は、米国の海洋石油政策も確認しながら、尖閣諸島をめぐる日中の対立と、海洋資源に関する両国の外交的アプローチの推移を辿っている。2008年の東シナ海の日中共同開発の合意も、2010年の中国漁船の海上保安庁巡視船への衝突事件から暗礁に乗り上げる。ただこの事件が起きなくても、共同開発における法令適用の問題や、領有権の棚上げの難しさなどから何れ困難な状況に直面したとも思われる。2022/05/14