内容説明
奈良にゆかりの多彩な人たち。その足跡に思いを寄せ、大和への愛惜を綴る。會津八一、与謝野晶子、林芙美子、B・タウト、北原白秋、内藤湖南、和辻哲郎、アインシュタイン、濱田青陵、小林秀雄、志賀直哉、井伏鱒二、坂口安吾、宮本常一、土門拳、直木三十五、ほか。全41編。
目次
拝啓伊藤博文様―対山楼と六松庵
拝啓岡倉天心様―奉行所跡の風景
拝啓正岡子規様―柿をむいた女性
拝啓夏目漱石様―墨の香や
拝啓島崎藤村様―西行上人に導かれ
拝啓森鴎外様―奈良五十首
拝啓関野貞様―平城京研究の父
拝啓喜田貞吉様―法隆寺再建論
拝啓吉田東伍様―図書館卒業
拝啓エルウィン・ベルツ様―奈良を愛したドイツ人医師〔ほか〕
著者等紹介
千田稔[センダミノル]
1942年奈良県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程を経て追手門学院大学助教授、奈良女子大学教授を経て国際日本文化研究センター教授。国際日本文化研究センター名誉教授・奈良県立図書情報館館長。博士(文学・京都大学)。濱田青陵賞、日本地理学会優秀賞、奈良新聞文化賞、古事記出版大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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波 環
3
奈良を訪れた文化人や学者を手紙形式てエッセイにしている 志賀直哉や与謝野晶子などの作家と、歴史や地理など著者の先達となる人たちへの書き振りは明らかに違い学者が世になにをどう問うべきか著者自身への問いのようなものを形式は軽い中にもにじませている 特に、東日本大震災後の悲痛な自問は胸を打つ とにかくら奈良が好きなんですよね 昔、彼の学生であっころ、邪馬台国論争は『九州なわけがないやろ!』と断言していたのを今も思い出す あれは学術としてではない、信念で言っていた! 2018/02/23
loanmeadime
1
奈良を愛する筆者の思いが伝わる1冊。かつて奈良を訪れた著名人41人に宛てた書簡の形のエッセーです。与謝野晶子が当麻寺を訪ねるのに王寺駅から人力車に乗ったというのに、少し驚きましたが、調べてみますと鴎外が毎日人力車で通った皇居近くの三宅坂陸軍病院までの南千住の自宅からの距離とほぼ同じ約6kmぐらい、ということで納得しました。・・・斑鳩物語の高浜虚子を入れなかったのは何故か伺える機会があるかなぁ。2018/11/05