内容説明
安政七(1860)年、はじめての大坂へやってきた船大工が当時の代表的観光スポットを訪ね歩く。伊予吉田の町医者・岡太仲が残した日記「大坂御迎船海上往来」に基づく見聞記。
目次
大坂川口着船―天下の台所と玄関口・天保山
遊覧1日目 上町から寺町界隈
遊覧2日目 船場
遊覧3日目 三大市場巡り
遊覧4日目 道頓堀と芝居町、新町遊び
余聞―大坂町民の暮らし
大坂遊覧追録
著者等紹介
渡邊忠司[ワタナベタダシ]
1947年愛媛県生。大阪経済大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。大阪経済大学博士(経済学)。日本近世史・日本経済史(近世)専攻。大阪市史料調査会主任調査員を経て、佛教大学歴史学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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読書実践家
7
江戸時代の大坂にタイムスリップ。平和で大衆のエネルギーに溢れていた時代。楽しく、賑やかな町を堪能できる一冊。2016/03/09
わ!
6
とても楽しい一冊です。分類としては小説になるのでしょうが、原文は伊予吉田の町医者である岡太仲(おかたちゅう)という人の旅日記だそうです。そこに新たに著者の分身とでもいうべき主人公を加え、江戸末期の大坂の町を観光させています。文章は全文が会話調となっていて、観光ガイドと主人公の二人が、弥次喜多道中さながらに落語の会話のようにしゃべりまわります。そこにリアルな江戸時代の大坂が浮かび上がっていて、本当に当時の大坂をついて歩いているような気分になります。小説ではあるものの、時代考証はしっかりしている様に思えます。2024/11/06