内容説明
昨年から海外で使用実績のあるアルツハイマー病の治療薬3薬剤が日本でも使用可能となった。ようやく治療の世界標準に追いつくことができたが、第二世代の根本治療薬(レンバー等)も開発中だ。また、軽度認知障害(MCI)のうちに治療をはじめることで、発症を抑制することが可能になってきている。家族の発する認知症のサインを見逃さず、アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性、前頭側頭葉型など、どのタイプかの診断が適切に行われることで、治療の道が開けてきている。
目次
第1章 “治らない”“防げない”病気ではなくなってきた認知症(認知症を取り巻く現状―認知症に前向きに取り組める環境になってきている;認知症とはどのような病気か―認知症の症状には認知機能障害と行動・心理症状がある ほか)
第2章 認知症の診断方法(認知症早期発見の目安―認知症の初期症状を察知することが重要;認知症診断の際の症状伝達のポイント―認知症も早期発見・早期治療が大切 ほか)
第3章 認知症のタイプ別症状と最新治療(アルツハイマー型認知症の症状―認知症で最多“物忘れ”や“段取り力低下”から進行;アルツハイマー型認知症の最新治療―症状改善薬、アリセプトを用いた治療が行われている ほか)
第4章 認知症の介護(認知症の初期症状のサイト―家族の発する認知症のサインを見逃さない;認知症患者への接し方1―BPSDの進行を遅らせるポイントは人間関係を保つこと ほか)
著者等紹介
小阪憲司[コサカケンジ]
メディカルケアコート・クリニック院長。1939年生まれ。金沢大学医学部卒。東京都精神医学総合研究所副参事研究員、横浜市立大学医学部精神医学講座教授、横浜ほうゆう病院院長などを歴任し、2011年5月より現職。横浜市立大学名誉教授。1960年代以降認知症の研究・臨床に携わり、第一線の認知症の臨床医・研究者として高い評価を得ており、「レビー小体型認知症」の発見、一連の報告は世界的に知られている
須貝佑一[スガイユウイチ]
認知症介護研究・研修東京センター、研究部長兼副センター長。1945年生まれ。69年東京大学医学部卒、朝日新聞社記者を経て京都府立医科大学学士入学、80年同大学卒。川崎市立川崎病院神経科レジデント、国立精神・神経センター武蔵病院勤務の後、社会福祉法人浴風会病院精神科診療部長などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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