内容説明
敗北が決定的といわれた2度にわたるモンゴル襲来は、暴風雨と台風によって敵軍は壊滅し、「国難」を救った。その後、日本は「神国」だからこそ「神風」が吹いたという伝説が生成した。遠征軍は確かに暴風雨と台風により大被害を受けたが、日本軍が戦争に勝利したわけではなかった。一時的に幕府北条氏や「調伏祈祷」した寺社勢力が「神風伝説」を喧伝して力を持つが、皮肉なことに鎌倉幕府の崩壊を早める原因にもなった。
目次
プロローグ 七〇〇年以上たっても史実は不明!?
第1部 一二七四年、モンゴル・高麗軍の襲来―文永の戦い(なぜ大船団は一夜に消え去ったのか?;モンゴル襲来の歴史的な背景;熾烈を極めた博多湾岸の戦闘;徹底攻撃を主張―高麗軍大将・金方慶の苦悩;作戦会議で何があったのか―モンゴル軍最高司令官の決断;朝鮮半島沿岸で遭遇した暴風雨?;作られた「神風伝説」)
第2部 一二八一年、モンゴル・高麗・旧南宋軍の壊滅―弘安の戦い(フビライの野望と日本軍の幻の「異国征伐計画」;日本への再征開始と東路軍;東路軍、日本に進撃す!;東路軍が上陸、志賀島で戦闘開始;江南軍の到着と大艦隊を襲う台風;なぜ大遠征軍は壊滅したのか?)
第3部 「異国調伏」と「神風伝説」の誕生(「国難」を叫ぶ朝廷・幕府・武士;「神風」と亀山上皇vs後嵯峨天皇の闘い;「神風」と執権北条氏の目論見;御家人たち武士は何のために戦ったのか?;「神国思想」の正体と北野天満宮の横暴)
エピローグ 「神風」を否定した日本僧と、その後のモンゴル
著者等紹介
三池純正[ミイケヨシマサ]
1951年福岡県生まれ。工学院大学工学部卒業。歴史研究家。戦国期をはじめ歴史の現場を精力的に踏査し、現場からの視点で歴史の定説を見直す作業に没頭している。主な論文に「海津域について」(第19回郷土史研究奨励賞を受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
アンパン漢
sfこと古谷俊一
おらひらお
kurayamadasoga