内容説明
過剰な不安が不幸な社会を招く!凶悪犯罪から子どもの安全を守るため、監視カメラや防犯パトロールなど、いたるところに防犯システムが張りめぐらされている。だが、人の生命が犠牲になるような事件は、まったく増えてなどいない。変わったのは、ありもしない「治安悪化」に怯え、過剰なセキュリティを求める社会のあり方である。実体のない不安が厳罰意識を肥大化させ、誰もが不審者とされる相互不信を招いている。
目次
第1章 凶悪犯罪者たちへの共感と恐怖(宮崎勤事件の“前”と“後”;アキバ通り魔事件とロスジェネ)
第2章 少年法と刑法三九条をめぐる困難(「凶悪化する少年たち」というウソ;刑法三九条の罪 ほか)
第3章 セキュリティが長閑な日常を破壊する(過剰な防犯意識、悪化する体感治安;痴漢冤罪事件と監視カメラ)
第4章 暴力の排除が生み出す厳罰社会(「善」なる被害者、「悪」なる加害者;暴力に回帰する権力と死刑)
特別対談 暴走する民意と権力(萱野稔人×芹沢一也)
著者等紹介
芹沢一也[セリザワカズヤ]
1968年東京都生まれ。1992年、慶應義塾大学文学部卒業。1998年、慶應大学大学院社会学研究科博士課程修了。専門は日本近代思想、現代社会論。犯罪や狂気をめぐる歴史と現代社会との関わりを思想史的、社会学的に読み解いている。メールマガジンとセミナーで情報提供を試みる知の交流スペース「シノドス」代表。慶應義塾大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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